続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton」(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)展

 ルイ・ヴィトンの展示です。

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 ブランド品に興味がないので、付き合いで行った展示ですが、おもしろい! ブランド品を見る展示ではなく、ヴィトンの歴史、精神を見る展示でした。
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 自社商品だけでなく、道具や、研究のために集めたバッグやトランクも展示されています。

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 数々のトランクが展示されています。トランクと言うより、もはやタンスですね。
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 ルイ・ヴィトンが会社を興した当時、旅と言えば船だったんですねー。なんか、ベッドまでトランクに収まってます!

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 こちらなんか、ほとんどメイク部屋ですね。

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 時は流れ、車でピクニックを楽しむ時代に。トランクを積んだキャンピングカー。

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 食器を収めたトランク。

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 そして空の旅へ。

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 忘れてならないのが、列車の旅ですね~。車内風の展示。車窓には、流れる景色が映し出されています。展示がいちいちかっこいい!

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 衣装もかわいいです。

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 豪華列車に乗っている気分も味わえます。

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 旅先だって仕事がしたい。今も昔も、そんなビジネスマンはいたわけで。
 書斎だって、トランクに入れちゃいます!

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こちらは、ルイ・ヴィトンがコレクションしたトランク。きれいですね~。

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 この箱、よく見ると、ビーズです!

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 これは靴を収めるためのトランクかな?

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 香水瓶も展示されてました。

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 ありとあらゆるものが、コンパクトにトランクに収められています。
 じつは私、限られたスペースに物を詰めるのが大好きです! なので、たまらんです!

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 最後は和のコーナー。
 お茶の、野点用トランクがありました。
 つづらのようなトランクを見るときには、置かれている畳にも注目! 縁がヴィトン!

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 出口では実演も行われていました。たくさんの人が見られるように、3方向からの手元の映像が、画面に映し出されています。

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 なんか、ちゃちゃっと作るのかと思ってしばらく見ていたのですが、細かな部品が多く、なんだかしっかり作っているようでした。

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 これだけの展示内容で、2方面の送迎バスもあって、無料なんですよ~! お土産にポスターも! なんて太っ腹!
 興味を持った方、ぜひ行くべきです! ただ「あたし、ヴィトン欲しくなっちゃった」となる可能性も高いので、気を確かに持って、財布の中身を確認してください。

jp.louisvuitton.com

 


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シンデレラの世界展

 日比谷図書館で開催中の「シンデレラの世界展」を見てきました。チラシがかわいくて、ぜひ見に行きたいと思っていた展示です。

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『シンデレラ』はグリム童話で有名になりましたが、世界各地に様々なバージョンがあり、起源はわからないそうです。様々なバージョンがあるのは、昔話にはよくあることですね。「自分が知っている話と違う!」と怒る人もいますが、その辺は大らかに受け止めてほしいものです。

 いろんなシンデレラが見られて、楽しい展示です。ひとつのキーワードでのコレクションには、なんだか説得力があります。
 絵本から抜け出してきたようなドレスの展示もあったのですが、撮影禁止なので残念!

 撮影OKのコーナーもあります。
 まずはおなじみの顔ハメパネル。シンデレラと王子様の顔にはめることができます。今回はどちらも私の顔でお楽しみください。

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 絵本のページに入り込む撮影ポイントもあります。脇に魔女の帽子やマント、マスクなどが用意されていて、自由に使うことができます。が……ハロウィンで浮かれている人にしか見えません。

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 撮影ポイントの目玉はこちら! ガラスの靴を履くシーンを再現できます! もちろん、やってきましたよ~!

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 ……わかってはいましたが、無理がありますね。「無理がある」って言うか、無理です! 

 販売コーナーで復刻版を購入。日本語訳もついているのが嬉しい。

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 シンデレラとは関係ありませんが、猫バッジ、買いました。豆本ワークショップのときに、胸につけるんだ~(^^)

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ムーミンマーケット2016

 池袋西武で開催中の「ムーミンマーケット2016」に行ってきました。

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 いや~、あいかわらず、すごい人気ですね~!
 会場のあちこちには、ムーミンのキャラクターたちが。

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 今回の主な目的は買い物ではなく、ムーミンハウスの写真を撮ること。 毎回展示されていますが、今まであまり気に留めなかったことが、最近、どうしても気になっておりまして。
 それは「暖炉がどうなっているのか?」ということ。ドールハウス的な視点なのですが。
 ムーミンハウスは3階建てになってますが、1階に暖炉とカマドがあることは知っていました。建築設計上、居間の暖炉とキッチンのカマドは、一体になってるはず。2階、3階の暖房設備も、まとまった場所にあるはずなのです。となると、煙突は、建物の中央を貫いていのが、もっともシンプルな造りなのですが、そこのところがどうなっているのでしょう?
 注意して見てみたところ、やはり煙突は中央を貫いていました。各階各部屋の暖炉も、すべて建物中央に寄せられています。
屋根から飛び出ている部分は端に寄っているので、煙突は屋根裏でちょっと角度がついていると思われます。
 あ、ムーミン、階段から落ちてる(^.^)

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 回転扉がぐるぐる回っちゃって、出られない感じのムーミンたちも展示されていました。中に入っての撮影OKです!

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「今回は買い物が目的ではない」と言いつつも、行けばいったで、やっぱり買います。先着1000名様プレゼントの缶バッジもゲット(^^;) この日はスナフキンでした。
 カップも買ったのですが、この柄、ラスト1個だった! また補充されるのかな?


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『リリーのすべて』

 もう2週間前の話になりますが、『リリーのすべて』を観てきました。

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 宣伝文句に、こうあります。
「夫が女性として生きたいと願った時、妻はすべてを受け入れた」
 テレビで予告映像を見たときから、どうしても観たいと思っていた映画です。
 実話をベースとした映画です。世界で初めて性転換手術を受けて女性となった人と、その人の妻(だった)女性の物語。今から80年以上前のお話です。
 80年前は「性同一性障害」という言葉は存在しませんでした。自分の体と心が一致していないことに苦しむ人は、精神分裂症や性的倒錯者と見なされていた時代です。

 画家・アイナーと、同じく画家のゲルダは愛し合う夫婦。しかし、ある日から、アイナーが心の奥深くに封じ込めていた本質が、目覚めてしまいます。
「自分は、アイナーという男ではない。リリーという女性だ」
 アイナーもゲルダも、困惑し、混乱し、傷つく。そして出した結論は、「アイナーという男性はこの世から消え、リリーという女性に生まれ変わる」でした。
 愛する人の本質を受け入れることは、愛する人がこの世からいなくなること。それを承知でアイナーを、リリーを支えるゲルダ。私には、ゲルダのアトリエが血まみれに見えました。リリーの心だって傷だらけなのですが、私はゲルダのほうに心を寄せてしまいました。

 史実とは違うところも多くあるようで、批判する人もいるようです。とくにトランスジェンダーの方たちからは「当時の手術は命と引き換えのような危険なものだったけれど(リリーは命を落します)、今はそうした危険はすごく低い。そうしたことを、きちんと伝えなくてはならない」という意見が出ているそうで、それはそれでもっともなことと思います。けれど、それにしても、この映画はすごかった。観てよかった。
 じつは最初、新宿で観るつもりだったのですが、劇場が次の回も、その次の回も満員! 私もちょうど忙しい時期で、この日を逃すと、上映期間が終わってしまう可能性がありました。なので、あきらめるわけにはいかず、日比谷に移動して、なんとか観ることができました。そうまでしても、絶対に観たい映画でした。観てよかったです。

 職場の映画好きの人に、『リリーのすべて』の感想を話していたところ、脇で聞いていたおばさんが「あなたも女になりたいと思った?」と、ちゃちゃを入れてきました。映画の感想の部分は聞き流し、性転換の部分だけに、くだらない反応をしてきたわけです。
 職場では、円満円滑に、おだやかに過ごしたいと思っている私ですが、思わず侮蔑の色を浮かべてしまいました。
 けれどその侮蔑は、私自身にも向けられています。小中学生のころを振り返ってみれば、平気で「オカマ」だとか「ホモ」だとかの言葉を、冗談や悪口の意味合いで使っていました。自分の中の差別に気づき、できるだけそうした部分を排除しようとは思っていますが、染みこんだ汚れは、そうやすやすとは抜けるものではないでしょう。自分の中に差別や偏見の意識があることを自覚し、恥じなければ、問題はなくならない。
『リリーのすべて』の時代から、80年以上が経ち、医学は目覚ましい進歩をしました。そして今も進歩しつつあります。
 それに比べ、人々の意識改革の歩みは、なんと遅いことでしょう。
 私が侮蔑の視線を向けたおばさんは、私自身なのです。

lili-movie.jp




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世田谷アートフリマvol.25 終了

 アップが遅くなりました。
「世田谷アートフリマvol.25」盛況のうちに終了いたしました。遊びに来てくださったたくさんの方々、ありがとうございます!
 豆本ワークショップ、初日はたいへんな忙しさでしたが、2日目は、やや落ち着いたようす。初日の参加者が31名、2日目は21名のお客様に、豆本作りを楽しんでいただけました。

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 今回、アートフリマスタッフの方から、参加者の記名表を渡されました。参加人数確認が目的だと思ったので、ご記名をお願いするときに「本名でなくてもいいですよ。芸名でもいいですよ」と言ってみました。これが、意外と喜ぶ人が多い!
 小学生の女の子が「アリス」と書いて「私、アリスだって!」と嬉しそうにしていました。かわいいですね~。
 有名人も来ましたよ。ほら。

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 陸上競技の大スターです(笑)。
 ウサイン・ボルト選手を皮切りに、プリンス、マイケル・ジャクソンレディ・ガガ、シュワルツネッガーも来ました。あと、鳥山明先生!
 こんなことで喜んでもらえるなら、芸名名簿、ありですね。

 友人が遊びに来てくれましたが、ちょうど満席だったので、散らかっている私の席で作ってもらいました。ごめんね~。

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 世田谷アートフリマ、次回は9月かな?
 みなさん、どうぞ遊びにいらしてください。




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世田谷アートフリマ 1日目

 昨日・23日は「世田谷アートフリマ」1日目。
 3階・ワークショップスペースに、豆本ブースを出しております。
 びっくりするくらい、たくさんのお客さんが来てくださいました! ありがとうございます!

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 完成したときの笑顔は、本当に嬉しいです。

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 中には、中学校の図書室の先生というかたがいて、「生徒たちに教えたいと思って」と言ってくれました。豆本の輪が広がってくれたらいいな~。

 販売コーナーも、過去最高の売れ行きで、1日目にして棚がスカスカに!

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 充分に持って行ったつもりなのですが……(^^;
 嬉しい悲鳴ということですね。
 今日、少し作り足して持って行きまーす!





「FMまつもと」で『マザー・アンブレラ つゆさきの国』放送

 4月8日(金曜日)、ラジオ・FMまつもとで私の書いた作品『マザー・アンブレラ つゆさきの国』の朗読がオンエアされました。全5回で、毎週金曜9:45~10:00の読み聞かせのコーナーで放送されます。

FMまつもと(長野県松本市のコミュニティFM放送)
 9月までは、繰り返し放送されるそうです。

 朗読はやまおきあやさん。
「朗読するお話を探している人がいる」と、イラストレーターのかちのちのらさんからご紹介いただきました。かちのちのらさんのイラスト、最近ではNHKの『趣味の園芸』で登場しています。

育てたい花 春夏秋冬|趣味の園芸50th|くらしのパートナー:あなたの毎日の暮らしを豊かにするEテレ(NHK教育テレビ)の生活実用番組ポータルサイトです。


 やまおきさん、どうやら日本酒好きの方。私も日本酒大好きなのですが、「では一度会ってお話を」ということになった日が、なんと、とある酒蔵の蔵開き! もう、打ち合わせなんだか、飲み会なんだか、わからないようなテンションの初対面でした。

『つゆさきの国』は、「マザー・アンブレラ」シリーズの第4話。やまおきさんのお話を伺い、一番適していると思われるお話をお渡ししました。1話読み切り形式のお話なので、第4話からでも、ぜんぜん問題ないんですよ~。

 放送全5回のうち、第1回放送分の本文を掲載します。
 放送が入る地域にお住まいの方、どうぞよろしくお願いします。



   マザー・アンブレラ4  つゆさきの国

 台風が通りすぎた朝早く、わたしはワクワクしながら歩いていた。水たまりが、空を映している。いい天気。
 今日は水曜日。町内は燃やさないゴミの回収日。この日はいつも早起きして散歩する。わたしはゴキゲンだった。今日は期待ができる。
 思った通り、こわれたカサは何本も捨てられていた。わたしはゴミ捨て場にかけよる。お目当てはカサのつゆさき。
 カッターを出すと、カサから気に入ったつゆさきを取り外して、ポケットにしまった。大漁、大漁。
 わたしは鼻歌を歌いながら、うちに戻った。

 カサのホネの先には「つゆさき」と言う部品がついている。布地をピンと張り、カサをぬらす雨のしずくを集めて落とす役割をする部品。
 わたしはある日、この部品が人の形に見えることに気がついた。女子トイレのマークみたいな、テルテルボーズみたいな形をしている。マジックで顔をかいてみたら、すごくかわいい人形になった。このときから、わたしはつゆさきに顔をかいて集めるようになった。
 一度、家のカサのつゆさきを全部はずして、お母さんに怒られたことがある。だからわたしは、燃やさないゴミの日に捨てられる、こわれたカサからつゆさきを取ることにした。どうせ捨てるカサだもの。つゆさきを取っても怒る人はいない。
 集め始めると、つゆさきにもいろいろな種類があることがわかった。金属でできたもの、プラスチックでできたもの、木でできたもの。人型じゃないものもあるけど、これは集めていない。カサのホネとくっついていて、はずすことのできないものもあった。
 わたしの部屋には、こうして集めてきたつゆさきたちの国がある。机の下の、大きなクッキーのカンがふたつ。これが「つゆさき王国」。フタをあけると、中にはあつ紙で作ったお城があって、いろんなお店があって、たくさんの家がある。そのそれぞれに、つゆさきの人形が住んでいる。キリッとした顔のお城の兵隊、いつも笑顔のお花屋さん、おこりんぼのかじ屋さん。みんなわたしが顔をかいた。
 今日手に入れたのは、子供用のカサについていた、黄色くて頭の大きなつゆさき。この子たちは幼稚園に入れてあげよう。おちょうし者の顔、いじめっ子の顔、泣き虫の顔。人気者のかわいこちゃんも。
 つゆさき王国を見ているときが、わたしの一番楽しい時間。いつまでも見ていたいけど、そういうわけにもいかない。
「絵理ー! 早くごはん食べないと、学校におくれるわよー!」
 お母さんが台所から、大きな声で言う。わたしは「はーい!」と返事をして、つゆさき王国のフタを閉めた。



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