続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

泉岳寺、水天宮

 長年、一度はお詣りに行きたいと思っていた泉岳寺に行ってきました。
 勤め先の若い人に「今度、泉岳寺に行くんだ」と言ったところ、「?」という反応。「ほら、四十七士のお墓があるお寺」
「?」
「……赤穂浪士って、知ってる?」
「アコー……ローシ?」
「じゃ、じゃあ、『忠臣蔵』は?」
「チューシングラ?」
 Oh! No!
 30歳以下の人は、『忠臣蔵』を知りませんでした。ショック!

 さて、私の住居から泉岳寺に行くには、高輪ゲートウェイ駅を利用することになります。できれば降り立ちたくなかった駅です。なぜこんな駅名になったのか! 「芝浜駅」だったら、落語好きの私はすぐさま利用したでしょう。でも、高輪ゲートウェイ駅じゃあねぇ……。だからと言って遠回りするのも嫌なので、仕方なく降り立ちました。


 ううっ、駅名のフォントにも違和感。

 若い人が『忠臣蔵』を知らない。利用したくない駅で降りなければならない。この痛手を癒すには、甘味しかありません。
 というわけで、泉岳寺のちょっと先にある松島屋へ。団子や豆大福で有名な人気店。お店に着いたのは10時半くらいでしたが、すでに行列ができていました。

 待つこと30分。さすがに団子は売り切れていましたが、豆大福は買うことができました。幸運なことに、柏餅も!


 さあ、いよいよ泉岳寺へ。「萬松山」と書かれた中門をくぐると、大石内蔵助銅像が迎えてくれます。

 山門を抜けると本堂が。

 まずはお詣りを。そして、左手社務所御朱印をいただきます。ちょうど御朱印帳が埋まってしまっていたので、新たに買い求めました。


お寺では御朱印帳ではなく「納経帳」というのですね。その名の通り、泉岳寺では納経してから御朱印をいただきます。
「納経」と言っても、難しくはありません。4種あるお経の中からひとつ選び、お経を筆ペンでなぞるだけです。私は「金剛般若波羅蜜経」を選んでみました。願分はこのご時世、「世界平和」としました。ロシア軍はただちにウクライナから撤退せよ!



 混み具合にもよるのでしょうが、御朱印を書いていただくのに少し時間がかかるようだったので、先に浅野内匠頭と四十七士のお墓参りへ。
 途中「首洗い井戸」という場所がありました。主君のお墓に行く前に、ここで吉良上野介の首を洗ったそうです。

 他にも、浅野内匠頭切腹した際に血がかかったという梅と石もありました。時代劇で見た場面を思い浮かべ、「あぁ……」と声を漏らしてしまいます。

 いよいよお墓へ。入口で線香を購入すると、このような形で渡されます。

 なにせお墓がいっぱいあるわけですから、最初から何十本もの線香をお供えするのはおすすめしません。どのお墓にも、少しずつお供えするのがよいのではないかと思います。

 とは言え、はやり「この人!」という気持ちはあるわけで、思い入れの強い人のお墓には、ちょっと多めに線香を取ってしまいます。
 お墓を回っていると、やけに線香がごうごうと燃えているお墓がありました。風向きなどでたまたまそうなったのでしょうが、そこが堀部安兵衛江のお墓だったのは、失礼ながらちょっと笑ってしまいました。勢いがあって、イメージそのままでしたから。
 浅野内匠頭の墓前では、アカデミー賞でのウィル・スミスの件を思い浮かべずにはいられませんでした。喧嘩両成敗。なのに、手を出したほうばかり咎められ、言葉による暴力・侮辱をしたほうにはお咎めなし。おかしいと思います。暴力はいけません。でも、そこに至った経緯を考えるべきでしょう。
 お墓参りの後に赤穂義士記念館、義士木像館も見ました。入館料500円。こちらを見て、赤穂浪士への思いを強くしてからお墓参りしてもよかったかな。とくに木像館では、それぞれの義士の年齢や、討ち入りの際の持ち場などが書かれていて、ぐっと気持ちが上がるのです。

 念願だったお詣りができて満足でしたが、まだお昼過ぎ。ちょっと足をのばして人形町の水天宮へ行くことに。建て替えてから、まだお参りしたことがなかったので。
 人形町と言ったら、甘味の街。柳屋のたい焼き、板倉屋・重盛永信堂の人形焼きも魅かれますが、今回は「東海」へ。

 黄身しぐれ、薯蕷饅頭、ワッフルを購入。ここの黄身しぐれは絶品!

 そして水天宮。わー、ずいぶん雰囲気変わったなー! 前にお参りしたのは、友人が初出産のとき。その時の子は今年高校生になったので、16年ぶり。なんとなんと。

 いい天気の中、お寺にも神社にも行けて、よき一日でした。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキング