伊勢日記 その13 関の戸
タイトルを見て「お!」っと思った和菓子好きの方も多いのではないでしょうか? はい、あの「関の戸」です。
伊勢まで来たことですし、足を伸ばしてこのお店を見ておくべき、ということで、やってきました。
松阪駅からJR紀勢・参宮線で亀山駅、関西線に乗り換えて関駅へ。所要時間、約1時間半。「伊勢に来たついでに」と言うには、ちょっと遠いですね。
徳川三代将軍・家光の時代からあるお菓子「関の戸」。そのお菓子を作っているお店が、東海道関宿にあるのです。創業370年の老舗! しかしながら、作っている商品は「関の戸」のみ。
関の戸は、簡単に言えば、こし餡を求肥で包み和三盆をまぶしたひと口大のお菓子です。初めて食べたときは、そのおいしさに目を見開きました。
後から知ったのですが、このお店、服部半蔵の親戚が始めたのだそうで。
東京でもデパートなどで買うことはできますが、どうしてもお店を見ておきたかったのです。
関駅から少し行くと、そこには街道の街並みが今も残っています。
こちらが関の戸のお店「深川屋 陸奥大掾」。どうです、この堂々たる店構え!
お店、方向を変えて撮ってみました。看板に注目!
書体が違いますね。これは江戸方面、京都方面がわかるように変えてあるのだそうです。えーと、どっちがどっちだったかな?
この矢印は通りにあったものを写したもので、上の写真とは一致していないかもしれません(^_^;)
「関の戸」は朝廷御用達のお菓子でもありました。当時、お菓子を運ぶ際に来ていた衣装や、使っていたお重が、こちらのお店に展示されています。……ですが、私たちが行ったときは菓子博に貸し出されていたので、お店に来る前に見ておりました~。
お店で見たかった気もしますが、まあ、頭の中で合成することにしましょう。
合成と言えば、郵便局前に顔ハメパネルがあったので、記念撮影してきました。合成で、両方私の顔でお楽しみください。
え~、お口直しに、マンホール写真をどうぞ(^_^;)
伊勢日記 その12 本居宣長ノ宮、松阪神社
2泊3日の伊勢旅行最終日。
伊勢の神社はあちこち回ったけれど、拠点とした宿のある松阪はどうだろうか? 調べて見たら、立派な神社があるじゃないですか。本居宣長ノ宮、松阪神社と、ふたつの神社が、宿からそう遠くないところにありました。やはりご挨拶には行かないと。
神社は、松阪城跡のすぐ近く。
せっかくなので、ここも散策してきました。あいにくの曇り空でしたが、本丸のあった場所はやはりかなり高いところで、街が見下ろせました。
お城の跡をくるりと回るようにして進むと、鳥居が見えてきます。ここが本居宣長ノ宮。
本居宣長は、江戸時代の国学者ですね。神社は、記念館と隣接しています。
記念館脇の石段を上ると、本殿があります。
ご挨拶をし、御朱印を……と思ったのですが、社務所には人の気配がありません。とりあえず、境内を見て回ってからにすることに。
末廣稲荷大神というお社がありました。もともとは紡績会社の工場の中にあったそうですが、工場閉鎖にともない、ここに遷座されたそうです。
じつはここはすでに松阪神社の境内だったようです。本居宣長ノ宮と松阪神社は隣接していて、いつの間にか境界を越えていたみたいです。
こちらが松阪神社。2泊3日お世話になったお礼をしました。
境内には少名彦那尊御社がありました。
少名彦那尊御社の鳥居をくぐってすぐ右手に、白龍大神の小さなお社があります。
風格のある御神木。ずっと松阪の街を見守ってきたのですね。
こちらの社務所にも、人の気配がありません。でも、呼び鈴があったので押してみると、神主さんが出てきてくれて、御朱印をいただけました。
本居宣長ノ宮に戻ってみたのですが、やはり人の気配なし。呼び鈴もありません。諦めきれず、記念館の方へ行ってみると……おおっ! ここに呼び鈴が!
松阪神社同様、すぐに来てくださって、御朱印をいただけました。
お読みになってわかるかと思いますが、隣接してはいても、本居宣長ノ宮と松阪神社は、ぜんぜん関係ない、ふたつの神社です。立ち寄られる方は、注意しましょう。
帰り道、ちょっと眺めのいい場所に出ました。ここは御城番屋敷だったところだそうです。なんだか、当時の風景が浮かんでくるようでした。
伊勢日記 その11 月讀宮
猿田彦神社に続き、月読神社へ。外宮の別宮に月夜見宮がありましたが、ご祭神はどちらも月讀尊(つきよみのみこと)です。
地図で見たときには「さほど遠くない」と思ったのだけれど、歩いてみると、けっこう離れている。「もうそろそろ着くはずなんだけど……」と思っても、それらしきものは見えない。交通整備の方に聞いて、場所を確認し、ようやくたどりつきました。
車通りの多い道路に囲まれ、急に現れたような気がしました。
鳥居をくぐってみると、いきなり森に入った感じです。上り坂の参道を行きます。
境内には四つの社殿があります。案内板にあるように、参拝する順番があるので、その通りにご挨拶に回りました。
まずは月讀宮。
続いて月讀荒御魂宮。
伊佐奈彌宮。
うーん、どういうわけか、荒御魂宮以外はピンボケですね。神秘的な意味をお考えの方もいるでしょうが、「撮影者の実力」というのが、私の見解です(^_^;)
御朱印をいただき、月讀宮を後にしました。
バス停に行くと、タイミングよくバスが来てくれました。本数が少ないようなので、ラッキーです。
時間的に倭姫宮に行けなかったのが残念!
伊勢日記 その10 猿田彦神社
内宮へお参りし、おはらい町でてこね寿しを食べた後、少し歩いて猿田彦神社へ。
祭神の猿田彦大神は、天照大御神の孫にあたる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、高天原から地上に降り立つときに導いた神様だそうです。なので、ものごとを万事善い方向へ導いてくださる神様とされているそうです。天宇受売神(あめのうずめのみこと)の夫でもあります。
拝殿でご挨拶をしたあと、同じ境内にある佐瑠女神社にもご挨拶。ご祭神は天宇受売神です。芸能や縁結びの神様ですね。
猿田彦神社本殿の前に、なにやら方位が刻まれた石が。干支を触ると幸運が訪れるそうです。私は戌年なのですが、猿との相性が若干気になりました(苦笑)。神様はそんなの、気にされないですよね。
さざれ石。二見興玉神社にもありましたね。
たから石、という石もありました。なるほど、案内板が言うように、蛇が乗っているようにも見えます。
神社裏手にある御神田(おみた)も見学。5月5日には御神田祭が催され、桃山時代の衣装をつけた植方が田楽に合わせて早苗を植えるのだそうです。うーん、見てみたいけど、ゴールデンウィーク中は来るのがたいへんそうだなぁ。
社務所に戻り、御朱印をいただきました。ここでは猿田彦神社と佐瑠女神社の、ふたつの御朱印がいただけます。御朱印帳に、見開きでいただいてきました~。
伊勢日記 その9 内宮、その後で
内宮へのお参りを終え、すっかり腹ペコな我々は、ともかく腹ごしらえ。
伊勢に来たら、食べておきたい料理のひとつ、てこね寿しを食べることにしました。
「てこね寿し」とは、カツオのヅケを酢飯に載せた、漁師料理がルーツとなっている一品。
入ったお店は、おはらい町にある「すし久」。
この建物は、明治2年の遷宮のときに出た、宇治橋の古材で建てられているんですって! 民間では、神宮の古材を下賜された唯一なのだそうです。お店の創業は天保年間という老舗!
お店の中はこんな感じです。かまどでお湯を沸かし、お店の方が時おり汲んでいました。
てこね寿し、おいしかったです! 歩き疲れた体に酢飯が染みるし、カツオのヅケのおいしいこと! ボリュームもたっぷり。赤みそのお味噌汁も嬉しいお膳でした~。
お店を出て少し行くと、酒屋さんがありました。中で飲めるので、ちょいと一杯。
すっかり元気になったところで、猿田彦神社へ向かいました~。
伊勢日記 その8 内宮
菓子博2017を見た後、いよいよ今回の旅行の最大の目的地・内宮へ!
日曜日の1時過ぎということもあり、なかなかの人混みです。外宮では左側通行でしてが、内宮では右側通行がルールです。
一の鳥居をくぐり、五十鈴川を渡ります。
正宮に行く前に、五十鈴川の清流で手を清めました。そして、おでこも。
おでこを清めるという作法はありませんが、炎天下の菓子博で、短く切った頭も日焼けしてしまい、ひりひりするものですから(^_^;) 五十鈴川の清らかな水が、ひんやりと心地よかったです。
菓子博で欲にまみれた己を清め(笑)、お参りへ。
まず瀧祭神にご挨拶。
二の鳥居はくぐらず、樒が茂る小路を歩きます。なんでも、こちらの道を通っても、穢れが払われるそうです。テレビで知りました。
さあ、正宮に着きました! 案内係の方が「お参りは正面でなくてもできます」と言っていたけれど、せっかく来たのだから、やはり正面でご挨拶したいと思うのも人情でしょう。順番が来るまで、しばし並んで待ちました。
ご挨拶とお礼を述べている間、爽やかな風が吹き、白いとばりがめくりあがりました。うーん、やはり、ありがたい気持ちになります。最後の一礼には、感謝の気持ちが、よりいっそう、こもります。
御稲御倉の写真、なんか、光の玉がいっぱい写ってますね。ほこりに光が反射したものなのか、それともオーヴというものなのか、私には判断がつきませんが、ちょっと嬉しい気がします。
荒祭宮にご挨拶。
神楽殿も、さすがに立派です!
橋を渡り、風日祈宮へ。
御厩。外宮に続き、こちらでも神馬には会えませんでした。残念。
内宮をぐるりと巡り、大山祇神社・子安神社にやってきました。小さいけれど、優しい感じのお社です。
大山祇神社には大山祇神(おおやまつみのかみ)が祀られています。伊弉諾命・伊弉冉命の子で、山の守護神だそうです。
子安神社に祀られているのは木華咲耶姫神(このはなさくやひめのかみ)。大山祇神の娘で、安産や子育ての神様です。
この神社の手前には花形の手水鉢があります。かわいいですね。
念願だった内宮へのお参りを終え、宇治橋を渡ります。
おっと、最後に忘れてならないのが、最後から2番目の擬宝珠をなでること。この中には饗土橋姫(あえどはしひめ)神社のお札が収められていて、なでるとまたお参りに来られると言われています。ぜひまたお参りに来たいものです。
伊勢日記 その7 菓子博2017
4月23日快晴。
今回の旅行の目玉のひとつ、菓子博2017へ行ってきました。菓子博とは、4年に一度開かれるお菓子の祭典。全国のお菓子がひとつの場所に集結するというビッグイベントなのです。その歴史は古く、明治44年が第1回。そのときは「帝国菓子飴大品評会」と言ったそうです。戦争による中断はあったものの復活「全国菓子大博覧会」と名前を変え、今回が26回だそうですよ。開催地はその都度変わり、今回は伊勢。「お伊勢参り&菓子博! 行くなら今しかない!」ということで、今回の伊勢旅行となりました。
この日は菓子博の3日目。妻がちょいちょいツイッターに上がる情報をチェックしていたのですが……。
「のんびりシャトルバスを使っていたら、白福には間に合わない!」という結論に達しました。
当初、五十鈴川駅から9時に出るシャトルバスに乗り、10時開場の菓子博へ向かう予定でした。ところがものすごい混雑らしいのです。赤福が数量限定で出している「祝盆」の人気は主催者側の予想を遥かに上回っており、加えてスタッフが不慣れなため、怒号飛び交う大混乱だとか!
ちなみに「祝盆」とは、通常の赤福と、白小豆を使った白い赤福・白福の2個セット。白福が食べられるのは菓子博の間だけなのです。
我々は急遽予定を変更。旅行初日・朝4時起きの疲れはとりあえず置いておくことにし、2時間早く動き始めました。五十鈴川駅からタクシーで会場へ行くことに。タクシー代節約のため、他に菓子博へ向かう客をスカウトして、相乗りで代金折半作戦。これは見事成功しました。相手はシャトルバスの時間を知らず、途方にくれていたところだったので、とても喜ばれました。
開場2時間前、ゲート前はすでに長蛇の列! と思ったのは間違いで、この後、どんどん客が押し寄せ、我々なんかものすごく前の方、ということになりました。シャトルバスのお客さんは、あまりの混雑に目を丸くし、車内から大大大行列を写真に撮る人も。
待っている間、妻が菓子博のホームページを確認したのですが、なんとルール変更がされていることを発見! 祝盆の整理券はひとり2枚までだったのが、ひとり1枚に!
赤福では祝盆のほか「復刻赤福」も数量限定で販売していて、当初の予定では妻が祝盆、私が復刻赤福の列に並ぶ予定でしたが、ひとり1枚では、そういうわけにもいきません。直前変更はやめてほしいなー。
開場時間が近づくにつれ、殺気に満ちる空気。そして10分早く開場。ゲートをくぐると「危険ですので走らないでください!」というハンドスピーカーの声を聞く人はいません。我先にと整理券配布場へ。
中には車イスのお年寄りを押して走る人もありました。この人もたぶん、当初は、おばあさんには脇で待っててもらって、自分が走り、ふたり分の整理券をもらってくるつもりだったのでしょう。
走らないでと言うけれど、走らなければ買えないという状況……。
後日、祝盆は「抽選」という形になったけれど、その抽選券にも品切れがあるため、やっぱり急がなくてはならず、さほど解決になってはいなかったようで……。
そんな中、我々は首尾よく11時販売の回の整理券を入手。続いて復刻赤福の列に並び、こちらも11時販売分の整理券を入手できました。ふーっ……昨日は神社でおごそかな気持ちになったというのに……。己の、欲にまみれた姿をお天道様に晒す伊勢旅行二日目。
えーい、ともかくひと安心。待ち時間の間に「赤福氷」と「しんかパフェ」を食べることに。赤福氷は赤福のお店でも食べられますが、しんかパフェは菓子博限定。6店のお店のコラボパフェなのです。
ひとつずつ買って、妻と半分ずつ食べよう。ちょっと並んだけれど、無事購入。しかし、外に設けられた席は、すでにいっぱい。どこか空いてるところはと探していると、4人掛けのテーブルに、母娘ふたりで座っているところが。「そこ、座ってもいいですか?」と尋ねたそのとき! 持っていたトレイが傾き、しんかパフェが重力に引かれ……。
「落としても3秒以内なら大丈夫」という、広く知られる3秒ルール。しかし、物がパフェでは、秒数は関係ないです(T_T) 並び直して再購入するには、すでに列も長く伸びており。やむを得ず、砂利がついた部分を大地に残し、無事(?)な部分をすくい取り、席に着く。母娘の憐みの視線を感じつつ、食べる。
おいしいなぁ。落さなければ、きっともっとずっと、おいしかったろうになぁ。空は高く、青く澄みきっておりました。
気を取り直し(本当はけっこう引きずっていたけれど)、引き換え時間の11時まで、ほかのブースを見てみることに。
こちらはベビースターの新キャラ。もう、店頭におかれているベビースターのデザインはこの子ですよね。試食用の小袋をもらいました。
あと、赤福のうちわももらいました。この日は暑かったから、ちょうどよかった。
11時少し前に祝盆引換所に並び、無事購入。ほぼこのために早くから来たのです。
高まる気持ちを静め、まずは通常の赤福を。
うん、おいしい。餡がみずみずしい。お茶で口の中をすっきりさせ、いよいよ白福。白餡は普通、白インゲンですが、これは白小豆が使われています。もったいないので、最初は餡の部分だけを、ちみちみと食べました。でも、いずれは食べ終わってしまうもの。思い切ってひと口でパクリ。
うわっ、ぜんぜん味が違う! 赤福よりもスッキリしていて、さらに上品になった感じ。これねぇ、ちみちみ食べると、味の違いがわからないですよ。もったいながってないでパクリといったほうが、むしろ楽しめます。
復刻版赤福も購入し、とりあえずひと安心。
今度は「お菓子の匠工芸館」へ。職人技の見せどころ・工芸菓子を見に行きました。
遠目には、とてもお菓子とは思えません! 細かさ、繊細さ、全体のバランス。すごい!
続いて「お菓子のテーマ館」。日本橋を出発点にした江戸時代のお伊勢参りの雰囲気を楽しみます。
お気に入りのお菓子「関の戸」に関する展示コーナーもありました。献上の際の衣装や、使われた菓子箱の展示がありました。
見事な螺鈿細工!
江戸時代の伊勢の賑わいをテーマに作られた展示もありました。人はもちろん、桜の花は花びら1枚1枚すべてがお菓子。
前日に見てきた夫婦岩も再現。
人混みの中には、有名人もいました。三重出身の方々だそうです。
続いては「全国おかしであい館」。全国の有名なお菓子が展示されています。ここでは、いろいろなお菓子を買うつもりだったのですが……ん? どこまで進んでも展示ばかり。後から知ったのですが、ここでは展示だけで、販売は別の建物でされていました。ショック!
ここでも工芸菓子の展示がありましたよ。和菓子以外の作品もありました。
バットマンファンは喜ぶかな?
この後、販売ブース「全国お菓子夢の市」に行ってみたのですが、ものすごい行列! 入るのに2時間待ち、お会計に1時間待ち。これでは、この後予定している内宮参りに行けません。泣く泣く断念。
テント出店している企業ブースをふらっと眺め歩くことにしました。
お菓子をイメージしたコスプレ大会なんかもあったのかな? 赤福ちゃんがいました。けっこう人気者でしたね。
あんまり買い物ができなかったので後ろ髪引かれますが、時間切れということで、会場を後にしました。
購入した復刻版赤福は、この日の夜、宿で食べました。
写真ではわからないですが、通常の赤福より黒いです。そして餡が硬め。味は黒糖がすごく強いです。日持ちしないので、ノルマひとり6個。おいしいとは言え、濃い味なので、6個は多かったなー(^_^;)