伊勢日記 その7 菓子博2017
4月23日快晴。
今回の旅行の目玉のひとつ、菓子博2017へ行ってきました。菓子博とは、4年に一度開かれるお菓子の祭典。全国のお菓子がひとつの場所に集結するというビッグイベントなのです。その歴史は古く、明治44年が第1回。そのときは「帝国菓子飴大品評会」と言ったそうです。戦争による中断はあったものの復活「全国菓子大博覧会」と名前を変え、今回が26回だそうですよ。開催地はその都度変わり、今回は伊勢。「お伊勢参り&菓子博! 行くなら今しかない!」ということで、今回の伊勢旅行となりました。
この日は菓子博の3日目。妻がちょいちょいツイッターに上がる情報をチェックしていたのですが……。
「のんびりシャトルバスを使っていたら、白福には間に合わない!」という結論に達しました。
当初、五十鈴川駅から9時に出るシャトルバスに乗り、10時開場の菓子博へ向かう予定でした。ところがものすごい混雑らしいのです。赤福が数量限定で出している「祝盆」の人気は主催者側の予想を遥かに上回っており、加えてスタッフが不慣れなため、怒号飛び交う大混乱だとか!
ちなみに「祝盆」とは、通常の赤福と、白小豆を使った白い赤福・白福の2個セット。白福が食べられるのは菓子博の間だけなのです。
我々は急遽予定を変更。旅行初日・朝4時起きの疲れはとりあえず置いておくことにし、2時間早く動き始めました。五十鈴川駅からタクシーで会場へ行くことに。タクシー代節約のため、他に菓子博へ向かう客をスカウトして、相乗りで代金折半作戦。これは見事成功しました。相手はシャトルバスの時間を知らず、途方にくれていたところだったので、とても喜ばれました。
開場2時間前、ゲート前はすでに長蛇の列! と思ったのは間違いで、この後、どんどん客が押し寄せ、我々なんかものすごく前の方、ということになりました。シャトルバスのお客さんは、あまりの混雑に目を丸くし、車内から大大大行列を写真に撮る人も。
待っている間、妻が菓子博のホームページを確認したのですが、なんとルール変更がされていることを発見! 祝盆の整理券はひとり2枚までだったのが、ひとり1枚に!
赤福では祝盆のほか「復刻赤福」も数量限定で販売していて、当初の予定では妻が祝盆、私が復刻赤福の列に並ぶ予定でしたが、ひとり1枚では、そういうわけにもいきません。直前変更はやめてほしいなー。
開場時間が近づくにつれ、殺気に満ちる空気。そして10分早く開場。ゲートをくぐると「危険ですので走らないでください!」というハンドスピーカーの声を聞く人はいません。我先にと整理券配布場へ。
中には車イスのお年寄りを押して走る人もありました。この人もたぶん、当初は、おばあさんには脇で待っててもらって、自分が走り、ふたり分の整理券をもらってくるつもりだったのでしょう。
走らないでと言うけれど、走らなければ買えないという状況……。
後日、祝盆は「抽選」という形になったけれど、その抽選券にも品切れがあるため、やっぱり急がなくてはならず、さほど解決になってはいなかったようで……。
そんな中、我々は首尾よく11時販売の回の整理券を入手。続いて復刻赤福の列に並び、こちらも11時販売分の整理券を入手できました。ふーっ……昨日は神社でおごそかな気持ちになったというのに……。己の、欲にまみれた姿をお天道様に晒す伊勢旅行二日目。
えーい、ともかくひと安心。待ち時間の間に「赤福氷」と「しんかパフェ」を食べることに。赤福氷は赤福のお店でも食べられますが、しんかパフェは菓子博限定。6店のお店のコラボパフェなのです。
ひとつずつ買って、妻と半分ずつ食べよう。ちょっと並んだけれど、無事購入。しかし、外に設けられた席は、すでにいっぱい。どこか空いてるところはと探していると、4人掛けのテーブルに、母娘ふたりで座っているところが。「そこ、座ってもいいですか?」と尋ねたそのとき! 持っていたトレイが傾き、しんかパフェが重力に引かれ……。
「落としても3秒以内なら大丈夫」という、広く知られる3秒ルール。しかし、物がパフェでは、秒数は関係ないです(T_T) 並び直して再購入するには、すでに列も長く伸びており。やむを得ず、砂利がついた部分を大地に残し、無事(?)な部分をすくい取り、席に着く。母娘の憐みの視線を感じつつ、食べる。
おいしいなぁ。落さなければ、きっともっとずっと、おいしかったろうになぁ。空は高く、青く澄みきっておりました。
気を取り直し(本当はけっこう引きずっていたけれど)、引き換え時間の11時まで、ほかのブースを見てみることに。
こちらはベビースターの新キャラ。もう、店頭におかれているベビースターのデザインはこの子ですよね。試食用の小袋をもらいました。
あと、赤福のうちわももらいました。この日は暑かったから、ちょうどよかった。
11時少し前に祝盆引換所に並び、無事購入。ほぼこのために早くから来たのです。
高まる気持ちを静め、まずは通常の赤福を。
うん、おいしい。餡がみずみずしい。お茶で口の中をすっきりさせ、いよいよ白福。白餡は普通、白インゲンですが、これは白小豆が使われています。もったいないので、最初は餡の部分だけを、ちみちみと食べました。でも、いずれは食べ終わってしまうもの。思い切ってひと口でパクリ。
うわっ、ぜんぜん味が違う! 赤福よりもスッキリしていて、さらに上品になった感じ。これねぇ、ちみちみ食べると、味の違いがわからないですよ。もったいながってないでパクリといったほうが、むしろ楽しめます。
復刻版赤福も購入し、とりあえずひと安心。
今度は「お菓子の匠工芸館」へ。職人技の見せどころ・工芸菓子を見に行きました。
遠目には、とてもお菓子とは思えません! 細かさ、繊細さ、全体のバランス。すごい!
続いて「お菓子のテーマ館」。日本橋を出発点にした江戸時代のお伊勢参りの雰囲気を楽しみます。
お気に入りのお菓子「関の戸」に関する展示コーナーもありました。献上の際の衣装や、使われた菓子箱の展示がありました。
見事な螺鈿細工!
江戸時代の伊勢の賑わいをテーマに作られた展示もありました。人はもちろん、桜の花は花びら1枚1枚すべてがお菓子。
前日に見てきた夫婦岩も再現。
人混みの中には、有名人もいました。三重出身の方々だそうです。
続いては「全国おかしであい館」。全国の有名なお菓子が展示されています。ここでは、いろいろなお菓子を買うつもりだったのですが……ん? どこまで進んでも展示ばかり。後から知ったのですが、ここでは展示だけで、販売は別の建物でされていました。ショック!
ここでも工芸菓子の展示がありましたよ。和菓子以外の作品もありました。
バットマンファンは喜ぶかな?
この後、販売ブース「全国お菓子夢の市」に行ってみたのですが、ものすごい行列! 入るのに2時間待ち、お会計に1時間待ち。これでは、この後予定している内宮参りに行けません。泣く泣く断念。
テント出店している企業ブースをふらっと眺め歩くことにしました。
お菓子をイメージしたコスプレ大会なんかもあったのかな? 赤福ちゃんがいました。けっこう人気者でしたね。
あんまり買い物ができなかったので後ろ髪引かれますが、時間切れということで、会場を後にしました。
購入した復刻版赤福は、この日の夜、宿で食べました。
写真ではわからないですが、通常の赤福より黒いです。そして餡が硬め。味は黒糖がすごく強いです。日持ちしないので、ノルマひとり6個。おいしいとは言え、濃い味なので、6個は多かったなー(^_^;)