続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

「銀星通信」

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「銀星通信」という個人誌を発行していたことがあります。2000~2006年のこと。
 主人公・八雲晶は、大叔父から異世界にある、小ぢんまりとした物件と土地を引き継ぎます。そこで「銀星庵」という紅茶の喫茶店を始めるというストーリー。ストーリーとは言っても、思い付きの断片をつなぎ合わせたような、綱渡りの連載なのであります。
 もともとは、私の実家にコピー機が導入されたことが始まり。これを使って遊ばない手はないだろうと思い、「銀星通信」をスタートしました。
 B4用紙の両面に本文を写し、パタパタと折りたたんでホッチキスで留める。ページは切り離されていない状態で購入者の許に届き、購入者には最後の仕上げとも言うべき切り開き作業をしてもらうというシステムでした。代金は送料分の切手で、記念切手で支払った人にはおまけの冊子が付きます。

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 8号までは、おまけ冊子は本編とは別物と考えていて、本誌と関係ない話を書いたり、知り合いの作家や画家のお話や絵を使ったりしましたが、その後は本編のサイドストーリーを書くスタイルになりました。
 開始したときはまだパソコンではなく、ワープロでした。そのため、版下も手貼り。なかなか雑な個人誌でした。

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 さて、なんでそんなことを今さら書いているのかと言えば、この冊子を改めて「欲しい」と言ってくれた人があったからです。
 小さいころにこの冊子を読んだ(見た?)記憶があり、「どうしてもまた読みたくなったから、なんとかならないか?」という連絡をもらいました。私の旧友の息子さんからです。彼は記憶を頼りに、あるいはお母さんから訊いて、私のことを調べ、ブログやSNSから連絡をくれました。作家冥利に尽きる話ではありませんか!
 そんなわけで、今回、久しぶりに「銀星通信」を引っ張り出したわけであります。
 自分で書いておきながら、すっかり忘れている話もあり、なんだか新鮮でした。
 未完のまま、放ったらかしになってしまったお話で、申し訳ない気持ちが胸に広がります。ごめんなさい。

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