続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展

 東京国立近代美術館で開催中の「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展を見てきました。

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 茶道の心得があるわけでもなく、茶碗の良し悪しなどわかりませんが、観れば観たでおもしろいものです。
 今回の展示は樂家15代と次期16代の作品がずらりと並び、田中宗慶、本阿弥光悦の作品まで展示されるという、なんだかものすごい企画なのです。……テレビやらチラシやらの情報をまとめると、そんな感じです(^_^;)
 私のような、よくわかっていないものが観ても、一子相伝の茶碗が歴代ずらり、あたたたたと並んだ様は、やっぱりおもしろいです。

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「一子相伝」と聞くと、「技術を受け継いで」というイメージがあります。確かに技術は受け継がれているのでしょう。けれど、作品はそれぞれ、みんな違う雰囲気でした。「これが一子相伝? 違う流派じゃないの?」と思えるほどです。「不連続の連続」とも言われているそうで、個性際立つ感じでした。
 そんな中、千利休の依頼で作った、初代・長次郎の茶碗は、なんと個性をそぎ落としたものか。そんなことを私が感じるのは、入館して最初にめにするのが獅子だからです。神社の狛犬的な感じの作品で、お尻を上げ、今にも跳びかかってきそうな力を感じました。縄文式土器に感じるような力強さです。
 それが茶碗になると、すっと静かになる。すごいなと思いました。
 現代の当主・15代吉左衛門の作品は「こりゃ、飲みにくい!」という感想でした。茶碗にあって「飲みにくい」は、ひどい感想ですが、そうではないのです。「飲みにくかろう」と思いつつ、「手に取ってみたい」と思わずにはいられない吸引力があるのです。力強くて、なにかを伝えようとしている。それはきっと、手にしてみないとわからないのじゃないだろうか? ガラスケースに覆われた茶碗たちを見ながら、「ちょっとだけでいいから、持たせてくれないかなー」と思ってしまう茶碗でした。どこか遊び心、いたずら心を感じる茶碗でした。
 館内は暗いのですが、これは利休の茶室のイメージかもしれませんね。

 ひと通り観た後の恒例行事「もらうとしたら、どれがいいか」コンテスト開催。私は初代の作で、有名な「万代屋黒(もずやぐろ)」もいいけれど、「禿(かぶろ)」を選びました。利休が好んだ黒ではなく、こげ茶色の茶碗。抹茶の緑がきれいに映える気がしたので。
 妻は同じく初代の「シコロヒキ」と本阿弥光悦の「乙御前(おとごぜ)」。うーん、こんなにたくさんあると、ひとつにしぼるってのは、難しいよね。……もらえないんだけど。
 出口に撮影スポットがありました。初代「万代屋黒」を、アルミ合金で再現したもの。実物より200gほど重いそうですが、持ってみると手にすっぽりおさまり、落ち着く感じ。

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 展示を楽しんだ後、茶碗以外の展示も観てきました。こちらにも撮影スポットがあったので、記念撮影。

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 うーん、もっとカメラ目線だったか(^_^;)

www.momat.go.jp




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所沢・中氷川神社

 自宅からバイクで10分程度。そんなところに、こんな立派な神社があるとは!
 よく行くスーパーの先にあるため、わずかに生活圏から外れていたために気づかなかった神社ですが、本当に立派な神社です。

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 この写真あ大通りからの参拝口の鳥居。この先に二の鳥居がありますが、正面はこっちじゃないのかな? 下の写真下段が、正面の鳥居となります。

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 手水舎で手と口を清め、獅子にご挨拶。

 

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 拝殿へと続く石段は、趣がありますね。

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 拝殿で手を合わせ、ご挨拶。下段の写真、神秘的なことが好きな方は「オーブが写ってる」と言うような感じですね。気持ちはわかりますが、私的には「逆光ならしばしばこうした写真になる」といったところです。でも、普段と違う気持ちであることは確かですし、本当に不思議なものが写っていたとしても、それはそれで「そういうこともあるでしょう」といった気持ちです。

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 拝殿左右の柱には「亀」「鶴」の漢字を象った凧が飾られていました。

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 本殿。

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 中氷川神社の祭神は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、七社大神。「七社大神」とは、この神社からほど近い山口貯水池に沈んだ、旧勝楽寺村鎮座の神社で、祭神は大山咋命(おおやまくいのかみ)

建御名方命(たけみなかたのかみ)、奥津姫命(おきつひめのみこと)、大物主命(おおものぬしのみこと)、素戔嗚尊、下照姫命(したてるひめのみこと)、牛御子命(うしみこのみこと?)。
 境内社諏訪神社、市杵島神社、秋葉神社、八坂神社。

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 石上神社、稲荷神社。

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 琴平神社の社は、檜皮葺。

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 和魂宮には、鏡が祀られていました。

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 社務所では御朱印がいただけますが、四種あるようです。私は中氷川神社の御朱印をいただきました。

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 こうして神社を巡っていると、知らない神様の名が出てきて、いろいろ興味が湧いてきます。上級者になると、また違った味わいが出てくるのでしょうねぇ。
 しかし、今回は、自宅からほど近いところに立派な神社があることに気づいていなかった、ということを知ることができました。近所に、もっと興味を持つことは大切ですね(^_^;)


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スタジオ・コルクン

 今日はスタジオ・コルクンで、コルクンの撮影が行われました。

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 内側が白い段ボールで箱を作り、背景に白い紙を垂らして、隅にできてしまう継ぎ目の線を消します。スタンドを2台使用して、照明もバッチリ。さらに明るくしたいときは、女優ライトの要領で、アルミホイルで下から照らしたりもします。

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 今回の撮影は、8月に池袋コミュニティ・カレッジで開く子供向けの豆本講座で使うテキスト作成のため。背景を真っ白にした絵に、オリジナル・ストーリーをつけてもらいます。ストーリーだけでなく、背景も描き込んでもらうつもりです。
 見開きでこんな感じですかね。

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 子どもたちがどんなお話を生み出してくれるのか、今から楽しみ!


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田無神社 その2

  田無神社にお参りに行ってきました。

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 今回は御朱印帳を購入することが、主な目的です。
 御朱印帳って、お守りなどを販売している神社なら、どこでも置いているものと思っていたのですが、そうではないのですね。むしろ、扱っている神社のほうが少ない。
 東急ハンズなどでも売っているようですが、できれば神社で購入したいと思ってしまいます。
 田無神社にお参りしたことは、以前もブログで書きました。

田無神社 - 続・どんぐりも背くらべ
 読み返してみると、この神社の目玉とも言うべき「五竜神」のことが、かなりあっさりと書かれていました(^_^;) 

 お参りを済ませ、2年半ぶりの散策。
 今回、ちょっと気になることがありまして。年初めに、テレビで「ラスト陰陽師」なる人が言っていたことです。境内に「神心の碑」という、ピカピカに磨かれた2枚の御影石がありまして、ここに写る自分の姿を1枚の写真に収めます。ふたつの顔が違って見えたなら、運が開けるのだそうです。
 神社にはそのような説明書きは見当たらなかったのですが、とりあえずやってみました。

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 うーん、右側の表情はほほ笑んでいるように見えなくもない。
 しかし、開運どうのこうのというより、石面に映る自分の姿を見て己の心を見なさい、ということではないでしょうか。あんまり「開運だ」「パワースポットだ」と言うのは、ちょっと品がないように思えます。

 今回はおみくじも引いてみました。
 お言葉のみのおみくじもあるのですが、お守り入りのものを選びました。

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 小吉。旅行運に「盗難に注意」とありました。
 きゃーっ! 来月伊勢旅行に行く予定なので、気をつけなければ!
 お守りは神狐! これは嬉しいなぁ。23種あるデザインの中で、一番嬉しいかも!

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 最後に、目的の御朱印帳を購入。最初のページに、すでに御朱印があるので、日付だけ入れてもらいます。
 田無神社の御朱印帳は袴のデザイン。朱袴、浅葱袴、紫袴の3種あり、それぞれ違う紐の結び目が描かれています。私は浅葱袴を選びました。栞もついていて、かわいいねぇ(*^_^*)

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 田無神社のホームページはこちらです。

tanashijinja.or.jp


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練馬区・大泉氷川神社

 実家から少し行ったところにこの神社があるのは知っていたけれど、これまでお参りしたことはなかった。「近所だから、そのうちに」と思っていると、なかなか行かないものだ。それではいけないと思い、きちんと背筋を伸ばしてお参りに。

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 何年か前に、この神社が「聖地巡礼スポット」になっているようだと、ぼんやりと知った。神社って、そもそも聖地だけれど、ここで言う「聖地」は「アニメやドラマの舞台に出てきた場所」という意味。調べてみたら『マジンボーン』というアニメで、主人公が住んでいる神社となっているそうだ。近くに東映撮影所があるので、そんなことも関係しているのでしょう。
 一の鳥居をくぐり、ずらりと並ぶ燈籠の間を抜け、二の鳥居へ。

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 石段を上り、手水舎で手と口を清める。
 ここの手水舎は、脇のボタンを押すと水が出る仕組みだ。カラス対策らしい。節水にもなるね。

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 拝殿手前は獅子ですね。

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 祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)で、相殿が愛宕神社となっています。
 恥ずかしながらこの「相殿(あいどの)」というのが、いまひとつ解っていません(^_^;) 複数の神社が合体してる、というようなことでしょうかね? この神社で言うと、拝殿に手を合わせることで、氷川神社愛宕神社にお参りしたことになる、と。
 愛宕神社の祭神は香具槌命(かぐつちのみこと)、火産霊命(ほむすびのみこと)です。

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 この他に、境内社がいくつかあります。
 こちらは弁天社。

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 稲荷神社。

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 お堂の中にも神狐がいます。

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 左が白山社かな? 祭神は菊理姫命(くくりひめのみこと)。
 右が御嶽神社蔵王権現を祀った神社なのですね。

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 この神社には伊賀組衆が奉納した御手洗石と石鳥居があります。鳥居は破損してしまってますが、練馬区の指定有形文化財なのだそうです。
「伊賀組」って、忍者っすよね? なんか、高まる。

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 神楽殿もあるので、舞を奉納したりもしてるのかな?

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 こちら、裏参道です。

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 社務所ではお守りも販売しているので、ご朱印帳も買えるかとかと思ったのですが、置かれてませんでした。残念。そんなわけで、ご朱印は専用の用紙に書かれたものをいただきました。ご朱印帳を持ってくれば、その場で書いてくださるとの説明を、優しい声でしてくださいました。ただし、ご朱印を書ける方がひとりしかいないので、タイミングが悪いと、書き置いておいたご朱印になるそうです。
 優しい感じの、いい神社だったな~。


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目黒区・八雲氷川神社

 都立大学駅から徒歩10分ほどの小学校で、豆本とお話作りのワークショップ。何度か行ったことのある小学校なのですが、途中に神社があって、前々から気になっていたのです。これまでは時間に追われ、お参りができていなかったので、この日は時間に余裕を持って出かけました。

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 八雲氷川神社。細長く奥へと続いていく神社です。
 氷川神社ですから、素盞嗚尊(すさのおのみこと)をお祀りしているわけですが、毎年9月に行われる祭日には、神楽殿で、八岐の大蛇退治の物語を表現した「剣の舞」が奉納されるそうです。見てみたいなー。

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 祭神は素戔嗚尊稲田姫命(いなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)の三柱。稲田姫命は、やまたのおろちの生贄になるところだったお姫様ですね。

 一の鳥居をくぐると、左手に小さなお堂があり、おそらくお地蔵様が祀られています。「おそらく」と言うのは、像がもはや原型を留めていないためです。どうしてこうなったのか、知りたいですねー。

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 二の鳥居、三の鳥居をくぐると、拝殿があります。

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 ご挨拶の前に、手水舎で手と口を清めます。

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 狛犬ですが、どちらも獅子みたいですね。子連れです。

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 拝殿でご挨拶。これからワークショップを開く旨をお伝えしました。

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 境内には神楽殿があります。ここで八岐大蛇退治の舞が奉納されるんですねー。

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 いつごろのものでしょうか? 絵も掛けられています。

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 拝殿の隣に社務所があって、御朱印をいただくことができます。プリントされたものでしたが、これは御朱印書ける方が不在だったためかもしれません。
 9月の舞の奉納、都合が合えば、見に行きたいと思います。


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ウンコシッコ問題

 3月1日、小学校で豆本作りとお話作りのワークショップをしてきました。

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 1回の参加人数が10人を超えると「工程の進み具合の個人差」という問題が出てきます。チャチャチャッとやってしまう子もいれば、丁寧にゆっくりやる子もいます。先にできた子は、どうしても退屈してしまう。これを埋める方法は、いくつかあります。
 先にできてしまう子は、たいてい雑なので「ほら、ここ、もう少しきれいにしたほうがいいよ」などと修正を促したり。あるいは「先にできた子は、見本の豆本読んでてもいいよ」と言ってみたり。今回は、テーブルの下に寝転んで読む子もいましたね。

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 豆本作りが終わると、次はお話作り。「キャラクター作り」を体験してもらいます。参加者には、こんなプリントを配ります。

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 コルク人形の履歴書みたいなものですね。これを書いてもらい、発表します。「こんな子だったら、こんな物語ができそうだね」「この子は、こんあとき、どうするの?」という感じに、考えたキャラクターでお話作りにつながるようなコメントをしていきます。
 さて、今回、ちょっと問題にぶつかりました。
 この小学校では、すでに数回、このワークショップをしていて、「今回で3回目」なんて子もいました。こういう子は慣れているので、サクサクとキャラクターを作ります。ちゃんと考えて生み出すキャラクターなら、サクサク書いてもいいのですが……。
 小学校低学年男子。「ウンコ」と聞くだけで大笑いする時期ですね(^_^;) かつての自分も、確かにそうでした。こうした子が、慣れによりウケに走ると、キャラクター作りの表はウンコやシッコで埋め尽くされてしまいます。それを発表すると連鎖反応が起こり、3~4人の低学年男子の表が、ウンコシッコまみれになってしまう。「ボクのも読んで!」「書き直したから読んで!」と、低学年男子が我も我もと寄ってくるのだけれど、内容はどれもウンコとシッコ……。これはキャラクター作りになっていません。
 楽しんでもらえれば……という考え方もあります。けれど、この状態になると、楽しいのはウンコシッコに反応している子ばかり。ちゃんとキャ作りをした子が、置いてけぼりになってしまう可能性があります。
 ちゃんとキャラ作りはしたけれど、恥ずかしがって見せない子もいます。本当に見せたくない子もいるけれど、見せたくないというポーズを取ってはいるが本当は見せたい、という子もいます。「本当は見せたい子」に対しては、隙を見て表を盗み取るという「形」を取らなければなりません。「ああ、やられちゃった! じゃあ仕方ない」ということで、作ったキャラクターを見せてくれる子は多いです。
 そうした手続きをしたいのに、ウンコシッコ軍団に取り囲まれると、なかなか難しい状態になってしまう。「ほら、静かにして! この子の表を見るからね」なんてことを言うと、今度は恥ずかしがっている子が表を見せるのを拒んでしまう……。
 これが今回ぶつかった「ウンコシッコ問題」です。ウンコシッコ好きの子を取り除くなんてのは論外なので、テキストの内容を変えたりとか、いろいろ対策を考えないといけませんね。


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