所沢市久米の豊川稲荷と花向山・長久寺
自宅から少し行ったところ、旧鎌倉街道沿いに、細長い神社がある。鳥居が四つあって、両側に赤いのぼりが並ぶ稲荷神社。「豊川稲荷」とある。
「稲荷」と言えば、祭神は倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)だと、神社初心者の私は思ってしまうけれど、豊川稲荷はさにあらず。吒枳尼真天(ダキニシンテン)を祀った神社なのです。
吒枳尼真天は、荼枳尼天(ダキニテン)、茶吉尼天とも表記されるみたいで、白狐に跨ったヒンドゥー教の女神だそうです。それで「稲荷」となるのかぁ。
拝殿のちょっと先には、鐘がある。
と言うのも、この神社は、花向山・長久寺という、時宗のお寺の境内にあるのです。神道系の神社じゃないから、こういうこともあるんだなぁ。
仁王様にご挨拶をして、門をくぐる。本堂へ続く道の脇に、小さな祠があって、薬師如来像が収められている。
その隣には六地蔵。
さらに隣にも、六地蔵が収められたお堂がある。ただ、この中の六地蔵には首がない。古いお地蔵様のようだけれど、どんな歴史があるのかな?
脇に、漫画風に描かれた六地蔵の紹介があった。楽しいね(^_^) 私は、スマートにポーズを決めている宝珠地蔵が好き。
このお寺には「回国供養塔」「金銅像阿弥陀三尊立像」があるようだけれど、普段は見られないようです。残念。
本堂裏手には、徳川家康の長男・信康に仕えていた旗本・中根正重という方のお墓がある。後に家康にも仕えたみたいです。このお寺の維持発展に協力したのだとか。
と言うことは、このお寺は江戸時代初期からあるんだなぁ。調べてみたら、鎌倉幕府滅亡後に建てられたみたいです。
この辺りには、古そうなお寺がぽつぽつあるので、回ってみたらおもしろいかもしれませんねー。