続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

都立多摩図書館バックヤードツアー

 6月13日に催された都立多摩図書館のバックヤードツアーに参加してきました。
 図書館は市立や区立を利用していますが、都立の図書館は利用したことがありません。けれど、雑誌や新聞といった資料を調べるには、都立図書館のほうがいいようですねー。とくに多摩図書館は「東京マガジンバンク」であり、数多くの雑誌を所蔵しているのであります。

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 午後2時集合。簡単な説明を受け、15分後、ツアーに出発。関係者しか出入りできない扉をくぐるのは、けっこうワクワクします。
 予想はしていましたが、館内は撮影禁止。まあ、図書館ですからねー。

 最初に向かったのは1階の「協力作業室」なる場所。ここでは、相互貸借の本を捌いたりします。
 地元の図書館にお目当ての本が無い場合、カウンターに申し出ると、近隣の区市町村の図書館に問い合わせ、ヒットすれば借りることができます。そうした本は、いったん都立図書館に集められ、各区市町村の図書館に届けられるのだそうです。本の簡単な修理も行われているようでした。
 隣の部屋は書庫になっていて、主にここ1年くらいの雑誌が収められています。充分たくさんあるように見えましたが、この書庫はほんの序の口。まだ新しいので、利用者が多くいると思われるものだけを置いてある書庫でした。

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 地下1階に移動。ここの書庫は広いです! そして、膨大な量の雑誌が棚に収められていました! マンガ雑誌なども収められているので、尋常ではない量です。付録がついている雑誌は、極力そのままの状態で保管されてました。こりゃ、スペース取るわ~。
 スペースを取ると言えば、毎日発行される新聞。これもこの階に収められていました。原紙としての保管期間を過ぎた新聞は、マイクロフィルムに収められます。今度、自分が生まれた日の新聞、見てみようっと。

 地下2階。ここにも雑誌は収められていますが、「創刊号コレクション」という書架がありました。文字通り、雑誌の創刊号が収められています。ちらっと見ましたが、結婚情報誌の「ゼクシィ」って、創刊当初はずいぶん薄かったんですねぇ~。
 また、「児童青少年資料」という棚もあり、子供向けの雑誌が収められています。「子どもの科学」はその背表紙を見ただけで、歴史を感じます。古いものは大正時代。ずっと発行されている雑誌ですが、戦時中は極端に薄くなります。表紙も文字だけ。それでも「子どものために」と、発行はやめなかったんですねー。
 初めて知ったのが「ホーンブック」なるもの。「ブック」とは言いますが、見た目は小型の羽子板のようなもの。アルファベットや福音が書かれた紙が貼られています。そして水濡れ防止のためにフィルムが貼られています。ホーンブックは15世紀くらいからあるものだそうで、幼児の文字学習のために作られたものだそうです。これを腰にぶら下げていたそうです。なんで「ホーンブック」なのかと言えば、ビニールのようなフィルムが、当時は動物の角を煮溶かして、フィルム状にしていたそうなのです。角、つまり「ホーン」ですね。すごい知恵です!
 昔の紙芝居も保管されていましたよ~。見せていただいたのは『ガンマ王子』というタイトルで、ちょっと、おどろおどろしい感じでした。
 作家・山本有三の蔵書も、ここで管理されていました。こちらも興味深いです。

 16ミリ映画フィルムを保管している部屋もありました。酢酸っぽい匂いがして、中学時代写真部だった私は、暗室を思い出しました。
「主に60~70年代の、ドキュメンタリーです」という説明でしたが、なぜか私の目に飛び込んできたタイトルは『かっぱの嫁とり』。ドキュメンタリーなら、ぜひとも見てみたい! 他にも『うっかり物語』『スキー百転び』など、ヘンテコで興味深いタイトルが目につきました(笑)。

 午後3時、ツアー終了。
 じつに興味深いツアーでした。
 多摩図書館、来年には西国分寺に移設するそうで、この建物のツアーは、今回が最後となるそうです。貴重な体験でした。

 お土産に、手作りの栞をいただきました~。メッセージカードが入れられる栞でーす。

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