続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

秘密の読書室

 今朝見た夢の話。
 友人とデパートに行って、喫茶室でお茶をした後、「まだ時間ある?」と尋ねられた。頷くと、隣の衣服コーナーに案内される。つかつかと奥に進む友人。すると、隅っこに、ほとんど誰にも気づかれないような細いドアがあった。
 と、年配の女性店員が近づいてきて「お客様、こちらへはお買いものですか?」と、眼光鋭く尋ねてくる。その視線を正面から受け、無言でいる友人。「これはまずいのでは?」と思っていると、数秒後、店員は「どうぞ」と言ってドアを開ける。友人は私を振り向いて「見つめ返して、無言でいるのが答えなんだ」と、ニヤリと笑う。
 ドアの奥は、手狭な図書室といった感じの部屋だった。椅子やソファーが、ぽつぽつと置いてあり、5、6人が本を読んでいる。置かれているのはほぼマンガ。どれでも自由に読んでいいと言う。
 棚を見回してみると、どれも発売されたばかりの新刊本……と思いきや、年季の入った小説も置かれていた。青みがかったグレーの箱入り本で、タイトルは『親鸞』。
 本棚の上のほうには、数種類のウィスキーが並んでいる。「これ、飲んでもいいの?」と友人に尋ねると「無料で飲める」と言うではないか! よくみれば、入ってきたドアの脇はカウンターになっていて、氷や炭酸水が用意されている。
 小学生の男の子の姿もあって、持っていた自作の豆本をちらつかせて気を引こうと試みるも、男の子はちょっとエロいマンガが気になっているようで、豆本には目もくれない。
 むむうっと思っているところで目が覚めた。
 ああ、小学生なんか気にせず、ウィスキー飲んでおけばよかった。香りだけ嗅げたのも、悔しさを膨らませる。


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