続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

原爆と、原発と

 1945年8月6日、広島に原爆が落とされた。68年前の、今日だ。9日には、長崎にも落とされた。日本は、世界で唯一、原爆を落とされた国である。8月6日と9日には、全国各地で、たくさんの人が黙祷を捧げる。

 日本は原発を推進してきた。多数の反対派が声をあげても「大丈夫。安全だから。地震対策もきちんとしているから。クリーンなエネルギーだから」と推し進めてきた。チェルノブイリ原発事故があっても「日本は大丈夫」と言ってきた。その結果、2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震により事故を起こした。日本に、再び放射能が広がってしまった。

 憲法9条を改正しようという、大きな動きがある。簡単に言えば、日本を戦争ができる国にしようということ。今でも憲法は不思議な解釈をされ、自衛隊のできる活動は少しずつ広がっている。銃を持って、外国に行くようになってしまった。
 災害時の自衛隊の活動は素晴らしい。私たちを助けてくれる。
 けれど私は、彼らに人を殺してほしくない。殺したことを「功績」と讃える世の中を望んでいない。

 おかしいなぁ。「この悲劇を二度と繰り返しません」と黙祷を捧げている国なのに、どうしてこうなるのかなぁ。8月は、とくに悲しく感じます。恥ずかしく感じます。

 先日、テレビで『天空の城 ラピュタ』の放送があった。もう何度も放送されているのに、いまだに視聴率が高いそうだ。『風の谷のナウシカ』でも『となりのトトロ』でも、宮崎駿監督の映画は、観る人が多いそうだ。
 いや、「観る」と言うより「見る」と言ったほうがいいのかな。「眺める」と言ってもいい。
 セリフを覚えるほど何度も「みた」人たちの中で、この前の参院選で投票した人の割合はどれほどだろう。そんなふうに思いたくもなる選挙の結果だ。

 視聴率と選挙の結果、並べてみるとおかしなことになっている。
 黙祷と日本の方向、並べてみるとおかしなことになっている。

 日本が、とてもおかしなことになっている。そう思いませんか。私はそう思うし、怖いです。


人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村