続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

島根旅行 その10 小泉八雲・松江城・岸公園

 月照寺を後にし、小泉八雲記念館&旧居を目指す。
「晴れ男なんだから、この雨、どうにかならない?」と相方が言う。台風直撃をそらせて、2日間カンカン照りだったのだから、もう充分晴れ男の面目躍如だと思うが。「今はお腹がすいているから無理」と答えておいた。
 そういうわけで、まだ11時少し過ぎたばかりだったけれど、記念館近くにある「神代そば」で早めの昼食。
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 ここのそばは、今回食べた中で一番私の好みだった。早めに入って正解だ。後から後からお客さんが入ってきて、あっという間に満席になってしまった。

 店を出て、小泉八雲記念館、旧居と続けて見学。ここでもパーフェクトチケットを出すと、団体割引料金で入れる。
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 記念館と旧居のある並びは武家屋敷が並んでいて、風情がある。
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 この通りを渡ったところに、土産物を売っている店がある。お城に行く前にちょっと覗いてみた。
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 李白酒造も出店していて、ちょいと1杯気軽に楽しめる。「やまたのおろち」をいただいた。おしかったなー。晴れた日にはテラスに出て、お堀を眺めながら飲める。

 そばとお酒でお腹の虫が落ち着いたせいか、雨も小降りになった。
 城山公園に入り、まずは城山稲荷神社を見る。ここの狐を、小泉八雲はたいへん気に入っていたそうだ。
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 いよいよお城へ。今回の旅初日から、離れて見てはいたけれど、この日は間近で見られるので、ちょっとわくわくした。
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 神社から一番近い入り口・北ノ門跡から入る。ここはお城の裏手になる。そびえる石垣、続く石段。「お城に入る」という気分が高まる。
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 木々の間からお城が見えたときは、興奮した。ぐるりと回り、正面へ。
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 立派ですな~。大阪から来ていたおばちゃんたちが「大阪城のほうが大きいな」としゃべくっていたのに苦笑。なぜ対抗意識を燃やす? ここで大阪を一番にしなくてもいいでしょう。
 雨はほとんど病んでいたけれど、どんより曇っていたので、天守閣には登らなかった。
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 こちらは、お城の近くにある「興雲閣」。すてきな建物ですね~。


 一応、予定していた観光は終了したけれど、たっぷり時間があるので、島根県立美術館へ行くことにした。松江駅に戻り、バスに乗り込む。
 美術館近くの横断歩道で信号待ちをしていると、武士に遭遇! これから戦でしょうか? 道路を挟んで向かいを歩いていたのだけれど、信号待ちしている私たちを見るなり、数歩逆戻りし、歩行者用の信号ボタンを押した。そして再び城へと向かう。
 ここの信号は、ボタンを押さないと変わらないものだった。そうとは知らずに待っている私たちに気づいた武士は、わざわざ引き返し、ボタンを押してくれたのだ。かたじけない! どうかご武運を!
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 県立美術館を突き抜けると、岸公園がある。時間があったら来ようと思っていた場所だ。宍道湖に面したこの公園には、12体の兎の像がある。
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 いつのころからか「前から2番目の兎をなでると、幸運が訪れる」「2番目の兎に宍道湖のしじみの殻をそなえると、いいことがある」という噂が流れた。そのため、2番目の兎前にはしじみの殻がある。砂地になっているけれど、以前は芝が敷かれていたのかもしれない。観光客が2番目ばかりかわいがるものだから、芝がその周囲だけ無くなったのかな?
 ともあれ、2番目だけなでられているのでは、他の兎たちが寂しいのではないだろうか? そう思った私は、全兎をなでた。
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 これ、証拠写真です。
 ここは夕陽スポットでもあるので、美術館館内にはその日の日没時間が掲示されている。
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 この日の日没は19:25。所沢だと、1時間早く日が沈んでいる気がする。神話では出雲は「日、沈む国」なので、日没時間も遅いんだなー。この30分後が、美術館の閉館時間となる。まだまだ時間が早いので、夕陽を待たずに美術館を出た。
 すっかり雨が上がり、日差しが痛いくらいだ。お城でこの天気だったら、天守閣に登ったのになぁ。

 美術館前から、今回一度も利用していない「レイクライン」というバスに乗る。このバスは循環バスで、一方向にしか路線がない。これまでの私たちの行動は、ことごとくこの順路に逆らうものだったので、乗る機会がなかったのだ。パーフェクトチケットに、レイクラインの1日利用券がついている。車内でこれと引き換えに、1日フリーパスをもらう。

 相方が興味のあったカフェに行くことになった。
 じつはこのちょっと前に「宍道湖しじみの味噌汁をどこかで飲めないだろうか」と私は言っていた。だからてっきり、カフェで味噌汁が飲めるのだと思っていた。
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 Scarab136(スカラベいちさんろく)。こういうおしゃれなカフェで、まあ、味噌汁はなかった(苦笑)。おとなしく紅茶を飲む。磯淵氏が関わっているカフェで、紅茶はおいしかった。

 橋の上から、我らが宿・野津旅館が見えた。不思議な形ですな。お世話になりました。
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 松江駅に戻り、ロッカーから荷物を出す。いよいよ2泊3日の島根旅行も終わりだ。
 駅でお土産を買いこみ、出雲縁結び空港へ。
 じつは飛行機の予約時に、相方と隣り合わせの席がなかったので、座席指定をしていなかった。カウンターで尋ねてみると、隣り合わせの席を用意してくれた。しかも窓際! いやー、運がよかった。晴れたしね。
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 こうして、窓の景色を見ながら羽田空港へ。東京方面は天気が悪く、途中から地上の景色は見えなくなった。なんとか富士山は見られたけれど、電子機器の使用禁止になってからだったので、写真は撮れなかった。まあ、小さく見えただけなので、撮れてもよくわからない写真になっていただろう。

 羽田に着くとすっかり夜だ。しばらく飛行機の発着を眺めてから帰宅。2泊3日、あっと言う間だった。また行く機会があるといいな。

 で、松江で飲めなかった宍道湖しじみの味噌汁を、自宅で飲みました~。
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