続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

豆本&お話作り教室 in 池袋コミュニティ・カレッジ

 8月11日、池袋コミュニティ・カレッジで、豆本とお話作りのワークショップをしてきました。こちらの写真は、8階ロビーに展示された、講座内容のディスプレイ。スタッフの方が、かわいく並べてくれました。

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 西武デパートの中にあるので、開店時間の10時までは入れません。近くの喫茶店で時間の微調整。ついでにゴミ箱を折りました。

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 この日、残念なことにあまり人が集まらず受講者は4名、みんな女の子です。たまたまですが、8歳、9歳、10歳、11歳と、きれいに数字が並びました。
 豆本を並べてお出迎え。いろんなタイプの本を見てもらいたかったので、いろいろ持ってきてみました。

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 10時半、スタート。まずはいつものワークショップと同じく、簡単な折り豆本を作ってもらいます。一番年上の子はカッターを選びました。何度も使ったことがあるようで、とくに危なげもなく使えていました。

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「どんぐりのお話、タイトルが『どんぐりもせいくらべ』ってなってるけど、本当のことわざは『どんぐりの背比べ』だからね。間違えないでね」
 忘れてしまうことの多いこの注意事項、この日はちゃんと言えました(苦笑)。
 4人ともわりと器用で、きれいに豆本を仕上げていました。

 さて、お次は新プログラム。コルク人形の写真にお話をつけていきます。絵を描き足すのもOK。
「自分でお話を考えるんだよ~」と言うと「え~っ!」という反応。でも、本当に困ってはいなくて、下書き用の用紙を渡すと、すぐに書き始めました。

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 コルク人形を目の前に出してあげると、みんな嬉しそう。やはり実物を見たほうが刺激されますよね。

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 一番年下の子は、お話作りにかなり苦戦。「コルクンのたのしいあいさつ」とタイトルを書いたきり、手が止まってしまいました。
 原因のひとつとして、最初に作った折り豆本に引きずられてしまった、ということがあげられると思います。私が用意したテキストで、この子が作ったのがこちらの『コルクンとの たのしいせいかつ』でした。ご覧のように「たのしい」と「せいかつ」の「い」の部分が交差しているデザインです。これが気に入ったようで、自分なりのアレンジを加え『コルクンの たのしいあいさつ』となったのでしょう。やはり「い」の部分で交差するデザインの表紙を描きました。

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 ところが、1コマ目に「こんにちは!」と書いたきり、話が進まなくなってしまいました。コルク人形が歩いている写真や、なにかを見つけている写真、逃げているような写真に、「あいさつ」がつながらなくなってしまったのでしょう。タイトルの呪縛にからめ捕られてしまったみたいです。
「挨拶した後、この子はどこへ行く? なにすると思う?」とか、「他のコマを先に考えたり、絵を描き足したりしてみると、お話が浮かんでくるかもよ」といった具合に、少しずつヒントを出してみました。タイトルは後で変えたっていいわけですから、とりあえず無視する方向に誘導してみました。
 それがこの子の手掛かりになったかどうかは、いまいちわかりませんが、エンジンはかかったようで、少しずつお話が動き始めました。
 お母さんが言うには「スタートするまでが時間がかかる子なんですよ」とのことでした。なるほど。私も、ぼんやりとお話の全体像は見えているけれど、書き出しに時間がかかるということは珍しくないので、よくわかります。

 その間にも、他の子たちは下書きを終え、本番に入っていました。色鉛筆で絵を描いたりしています。

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 気になったのが、4人中3人が、主人公の名前を「コルクン」にしていることです。これは明らかに、最初に作った豆本に引きずられています。
「この子はコルクン族という種族」というのは私の設定で、自分なりの名前をつけて欲しかったけどなぁ。
 講座の一番最初に、簡単なキャラクター作りをさせてみようかしら? そうしたら、ストーリー作りも、もっとスムーズになるかな? 試行錯誤です。

 セミ・オリジナルの豆本を作り終える子が出てきました。まだ時間は45分もあります。この子はとても器用な子で、最初に作った折り豆本の手順も完璧に覚えていたので、ひとりでさくさく進んで行けるのです。
 とりあえず、持ってきていた豆本作りの本『手で作る小さな本 豆本づくりのいろは』(赤井都著 河出書房新社)を見せると、熱心に読んでいました。

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 この本には、私の豆本も紹介されているので、実物を見せてあげたら、とても喜んでくれました。

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 いやあ、よかったよかった……なんて、喜んでいる場合じゃありません。時間が45分も余るなんて、これは問題です。本を読んでもらっている間にも、ひとり、またひとりと、豆本を完成させる子が。
 先月、ほぼ同じプログラムを小学校でやりました。時間は今回より30分短い講座でしたが、時間ギリギリ。下書きしか書けず、本番は家でやるという子もいました。そんなわかけで、2時間というのはちょうどいい時間だと思っていたのですが……。
 小学校でやる場合には、友達もいるので、ワイワイする分、時間もかかるのでしょう。でも、カルチャースクールの場合、子どもはおしゃべりせずに作業に集中します。当然、ペースも早くなる……ということでしょうか?
 講座終了30分前に、4人中3人が完成。えーと、どうしましょう?
 やることは、あると言えばあります。切ったり折ったりする線のみを引いたテキストがあって、これは完全オリジナルの豆本を作るためのものです。夏休みの自由研究の課題として提出できるもの。
「じゃあ、これをやってみよう!」と言うのは、ちょっとひどいですよね。どんなお話にしようか考えたり、調べたりする時間が欲しいでしょう。そもそもこのテキストは、持ち帰ってもらうためのものなのです。

 というわけで、急遽、チラシを使ったミニ紙手提げ袋を作ることにしました。

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 これはウケがよかった! 自分たちが作った本を入れられますからねー。こんなことなら、きれいな折り紙も持って来ればよかった。
 じつは以前に、このミニ紙手提げ袋を作るワークショップができないものかを考えたことがあります。折り紙にガイドラインを引いたりしてみたのですが、ものすごく複雑になってしまい、こりゃ無理だ、ということで頓挫していました。
 ところが、ガイドライン無しのチラシで「だいたいこれくらい」「ここをこう折って」と口で説明し、実際にやってみせるという形を取ると……作れるじゃないですか! これは思わぬ発見でした。すべてを書くと、かえってわからなくなる。大まかな説明で、自分で細部を補った方が理解しやすい。うーん、なんだか童話を書くときと似てるなぁ。

 最後に残っていた子も、無事、完成。紙手提げ袋を作る時間がなかったんだけど、「私も作りたい」って言ってくれたのは嬉しかったなぁ。ちょっと居残りしてもらって、ちっちゃい紙手提げ、つまんで持ち帰ってもらいました~。

 ワークショップは、本当に勉強になります。全部終わると、心地よい疲れに包まれます。
 さあ、あとは楽しい反省会!

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