小さな雛人形
今日は雛祭り。我が家に子どもはいないけれど、せっかくなので雛人形を飾ってみた。
「雛人形」とは言っても、五段飾りとかいった立派なものではなく、お内裏様とお雛様のふたりのみだ。
しかも小さい。
これは、亡き祖母が持っていたもの。うっすらとした記憶によれば、小学生の私がプレゼントしたものである。
子どものころから小さい物が好きだった私は、どこかでこの雛人形と出会った。しかもそれは、小学生のお小遣いで買えるような値段だったのだろう。買いたいとは思ったけれど、男の子が雛人形を持つのはおかしい気がした。そこで祖母にあげることを思いついたのだ。
祖母は同居しているし、こけしなどの郷土土産をガラスケースに収めていた。この雛人形もそこに並ぶだろうし、そうすれば私もいつでも見られるわけだ。
なかなかに計算高く、利己的な贈り物だったけれど、祖母はとても喜んでくれたように記憶している。
おばあちゃん、ごめんね!
ふと思いついて、お雛様をガーベラの中に座らせてみた。
これを見て連想するのは、かぐや姫? 親指姫?
ちょっと混乱する写真になったと、ほくそ笑んでいる。