続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

THE RINGS

 上野・国立西洋美術館で開催中の展示「橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き」を見てきた。

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 このチラシを見て「行きたい!」と思った展示なのだけれど、実物は写真よりも遥かに美しかった。
 指輪のようなものは、写真に撮るのは難しいものなんだなぁ。なんと言うか、写真からは指輪の息遣いみたいなものが伝わってこないのです。……なんてことは見た後だから言えることで、見る前はこの写真でも充分に美しいと思ったわけなのだけれど。

 ひと口に「指輪」と言っても、様々なものがあるのだということが、この展示でよくわかった。

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 装飾のためのもの、印鑑みたいな実用的なもの、宗教的なもの、権力の象徴、誓いの印などなど。中には「ポイズン・リング」という、兵士が捕まった際に自害するための毒薬を収めたものもあった。
 とは言え、私はどうしても美しい指輪に見入ってしまう。どうやら、植物をモチーフにしたものが好きであることが判明。もともと鉱物好きでもあるので、やはり石を使った指輪に惹かれる。


 ムーンストーンの指輪があったけれど、ちょっと珍しかった。楕円形に磨かれているのはよく見る。でも、普通、光の筋が縦長になるようになってませんか? 展示されていたものは、横というか斜めというか、微妙な角度で光の筋が入っていた。見慣れないので、何度も見返してしまった。でもこの指輪も、図録で見ると光の筋すら写っていないので、なんの石なのかも写真からはわからない。残念です。


 花籠の絵柄の指輪も、ちょっと驚いた。花を描くのに小さな小さなシードパールが使われているのだけれど、もっとよく見たら、白い線に見えたものも針の先ほどの極小シードパールが並べられているではないか! これはスゴイ!

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 指輪には、不思議な魅力があるなぁ、と、しみじみ思う展示だった。指輪を題材にした物語が数多く存在するのも、頷ける。
 この展示は9月15日まで開かれる。まだまだ時間が期間があるので、興味のある方は行かれてみては? 指輪に興味のある人なら、たいへん面白い展示です。できれば単眼鏡などを持って行くといいですよ。拡大して見て気づくことも多いので。

 余談だけれど、ミュージアムショップで販売されているグッズは、あんまり食指が動かなかった。だって、指輪の写真がプリントされたカンバッヂとか、いります? 仕方ないって言えば仕方ないけど……。



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