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続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

たんぽぽ

「たんぽぽの花びらって、何枚か知ってる?」
 私の問いに、勤め先の同僚は「108枚」と即答。……デタラメです。

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 では改めて、たんぽぽの花びらは何枚でしょう?
 たくさんあるように見えるけれど、正解は「5枚」なのです。
 高校生のときに生物の先生が教えてくれたことなのだけれど、一見、一輪の花と見えるけれど、じつは花の集合体。「花びら」と思える部分が、一輪の花なのです。よく見ると、先端がギザギザに五つに分かれているでしょう? このギザギザが花びらなのです。大部分はくっついてしまっておりますが。

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 ひとり暮らしを始めたころ、食費節約のため、よくたんぽぽの葉を食べたなぁ。天ぷらにしたり、炒めたり。
 そんなわけで、たんぽぽには思い入れがあるわけです。

 と言いながら、在来種と外来種の見分け方を、何度聞いても忘れてしまう。
 ガクが上向きにペタッとしているのが在来種、クルンと外側に巻いているのが外来種だそうです。

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 これが在来種。関東たんぽぽ、かな?

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 こちらが外来種


 たんぽぽにはもうひとつ、思い出がある。20年も前に寄席で聞いた講談『鼓ヶ滝』という一席が、心に残っている。
 西行法師が鼓ヶ滝のほとりで歌を詠む。
「伝え聞く鼓ヶ滝に来て見れば沢辺に咲きしたんぽぽの花」
 「たんぽぽ」という響きが鼓の音のようで、いい歌が詠めたと満足して居眠りをしてしまう。目を覚ますと、辺りはすっかり暗くなっていて、帰ることもままならない。ようやく明かりの灯った小屋にたどり着き、ひと晩の宿を頼むと、快く受け入れてくれた。
 小屋にはおじいさん、おばあさん、そして幼い娘がいた。西行が道に迷ったいきさつを話すと、ぜひその歌を聞かせてほしいとせがまれる。
 こんなところに暮らすものが、歌の良し悪しがわかるはずないと思いつつも披露すると、おじいさん「ちょっと直したいところがある」と言い出す。
「鼓ヶ滝なのですから『伝え聞く』ではなく『音に聞く』としては?」
 西行はギョッとして、頭を下げる。
 続いておばあさん。
「『来て見れば』ではなく『うち見れば』のほうが、鼓に繋がるのでは?」
 またまた驚き、頭を下げる西行。
 とどめが小さな娘。
「鼓の打つところは、馬の皮が張ってあるから、『沢辺』じゃなくて『川辺』にしたほうが、皮と川がかかっていいんじゃにかしら?」
 西行、すっかりまいってしまう。
「音に聞く鼓ヶ滝をうち見れば川辺に咲きしたんぽぽの花」
 自分が詠んだ歌より、ずっと良くなっている。
 後はにこやかな時が流れ、床についた。
 ところが、目を覚ますと、鼓ヶ滝のほとり。ほんの束の間のうたた寝に見た夢だったのだ。西行はこれを、慢心していた自分に、和歌三神が戒めるために見せた夢だと思い、精進を重ねる……という一席。

 物語を書く私にとっては、じつに学ぶべきことが多い話だった。
 そんなわけで、たんぽぽには、いろいろ思い入れがあるのです。


 ところで、チューリップの花びらは何枚でしょう?

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 6枚? 残念! 3枚でした~。内側の3枚が花びらで、外側の3枚は、花びらと同じ色をしたガクなのだそうです。





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