続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

密やかな楽しみ

 階下から伸びてきたひょうたん、朝顔、ヘチマ。それに便乗して我が家にもグリーンカーテンを作ったことは、先月21日の日記にも書いた。
 あれからひと月ちょっとが経ち、グリーンカーテンはばっちり完成した。屋根にまで達したツルが行き場を失い、また下りてくるほどだ。
 この夏はあまりに暑すぎて、グリーンカーテンの効果があったのかどうか、いまひとつわからない。我が家は二階建てアパートの二階なので、屋根に照りつける太陽の熱の影響を、どうしても受けてしまう。
 西武園で打ち上げる花火が、窓一面に大きく見える部屋なのだけれど、今年はひょうたんとヘチマと朝顔の葉の隙間から覗き見た。邪魔と言えば邪魔だけれど、これはこれで、いたずらしているような気分で楽しかった。

 昨日の朝、グリーンカーテンの内側にヘチマと朝顔の花が咲いていた。

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 この花は、住民しか見ることのできない、密やかな楽しみ。そう思うと、ふふっと笑ってしまう。

 高校生のころ、生物の授業で、花についていろいろ教わった。「朝顔の花びらは何枚か」という質問に、生徒はちょっと首をかしげ「一枚」と答える。一応それで正解なのだけれど、先生は「花の模様をよく見ると、星のような形が描かれている。これは、もともとは花びらが五枚あったことを示している。このように、花びらが合わさった花を『合弁花』という」と教えてくれた。がくを見てみると五つあるところからも、こうしたことが分かるのだ、と。
 花を見るとき、この先生のことを思い出す。役に立つか立たぬかで言えば、たいして立つこともない知識。でも、花のように、ふとしたときに愛でる知識があるのはいいものだ。

 さて、ここで問題です。
 タンポポの花びらは、何枚あるでしょう?
 興味のある方は、調べてみてください。

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