続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

嶋根旅行 その9 月照寺 

 

 島根3日目。前夜から降り出した雨が降り続いている。
 もっとも、初日、二日目と天気に恵まれたのは、とてもとても幸運なことだった。なにせ出発の3日前は「台風3号直撃か?」と心配していたのだから。激しい降りというわけでもないし。大きな荷物を松江駅ロッカーに預け、出発。
 島根最終日の第一予定は、和菓子屋巡りだ。松江は「不昧公(ふまいこう)」のお膝下。和菓子屋も多い。
 不昧公とは、出雲松江藩七代目藩主で、茶道に通じ、後に不昧流を立てた人です。
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 雨の中、まずは三英堂へ行く。味のある店構えだ。ここでは「青梅」と「季子暦(きしごよみ)」を買った。
 続いては彩雲堂。「若草」と生菓子(名前忘れた)を購入。
 最後に桂月堂へ行き、「薄小倉」「神話の月」を買った。
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 写真上が「季子暦」、下が「神話の月」。
「薄小倉」は、噛むと、小倉餡を覆った砂糖衣が、薄氷のようにシャリッと割れる。見た目に涼やかなお菓子です。
「季子暦」は、マシュマロのようなお菓子。季節によって柄が変わるらしい。
「神話の月」は黒いお皿に乗せると、大国主命が見上げたであろう満月のよう。白小豆を使い、生姜の香りもするお菓子です。
 この3軒は近くにあるので、巡りやすかった。まだまだおいしそうなお店もあるのだけれど、この旅では和菓子の買い物はこれでおしまいにしておいた。

 バスに乗り、月照寺へ。「月照寺入口」というバス停で下車し、少し歩く。
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 雨のお寺というのも、風情があるものだ。
 受付でパーフェクトチケットを見せると団体割引の料金で入ることができる。バスにも電車にも乗れて、割引してもらえるスポットもあるなんて、観光客にはじつにお得なチケットですな。
 傘をさして、庭を見て回る。紫陽花寺とも呼ばれる寺なので、たくさんの紫陽花が植えられている。時期をもう少し遅らせれば、満開の紫陽花を見られただろうなー。見ごろにはちょっと早かったけれど、蓮の花も咲いていた。
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 不昧公廟門には、ぶどうの透かし彫りがある。葉には柔らかさすら感じる、見事な彫だ。
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 さらに進んで行くと、巨大な石亀が現れる。
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 この亀は、その昔、夜になると街に出て暴れまわっていたらしい。今はおとなしくしているみたいです。大きな亀を見ると、『はてしない物語』のモーラを思い浮かべてしまう。
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 ぐるりと回って受付に戻ったら、奥で美しい庭を眺めながら抹茶をいただく。雨の景色もいいものだなぁと、しみじみ思う。
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 月照寺のすぐ前に、伝説の相撲取り・雷電の碑が立っている。手形があったので、自分の手を当ててみた。私の手は小さくはないけれど、この通り。
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 お茶も飲めて、すっかり落ち着いた気分になった。月照寺を後にし、次なる目的地・小泉八雲の旧居へと向かった。
 ちなみに、月照寺の御朱印が欲しい方は、お隣の東林寺に声をかけてください。

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