続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

島根旅行 その2 神魂神社

 次なる目的地は神魂(かもす)神社。八重垣神社からは、どうやって行くか。
 土日祝日はバスがあるらしい。けれども6月13日は木曜日。平日に、バスで神魂神社まで行くには、いったん松江駅に戻らなければならない。地図で見ると、ふたつの神社は、そう離れていない。サイクリングロードもあるようだ。でも方向音痴だし、ここは安全策を取ってタクシーを呼んだ。
 タクシーが来るまで少し待ったけれど、迎車料金が上乗せされていないのは、ちょっと嬉しかった。10分ほどで神魂神社に到着。料金も1000円かからなかったように記憶している。

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 案内板にもあるように、ここは伊弉諾尊(イザナギノミコト)と、伊弉冉尊(イザナミノミコト)を祀った神社だ。人の姿を持って、初めて地上に降りた神様で、この二人によって、いくつもの島(淡路島、四国、九州、本州など)を生み、たくさんの神々を生んだ。
 鳥居をくぐると、趣のある石段が続く。
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 この味わいのある本殿は、日本最古の大社造で、建立は室町時代初期だと言う。

 ところでここには、不思議な場所があると言う。小さな洞なのだけれど、手を入れるとオーラが見える人もいるのだとか。その洞がどこにあるのか社務所で尋ねたところ「ただの穴で、神様とは関係ありませんよ。本やネットでは、ずいぶんいい加減なことが書かれていますね」と、ちょっと叱られた。パワースポット巡りをしているつもりはないけれど、確かに信仰心を持ってのお参りではなかったので、反省しなくてはならない。ここは信仰の場所であり、神聖な場所なのだ。
 ちなみにその洞は、本殿の左後ろのほうにある。

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 一応手をいれてみたけれど、なにも見えなかった。なんとなく緑っぽく見えたのは、周囲の苔の反射だと思う。「オーラ」といったものは、ぜんぜん見えなかった。

 ここよりも、もっと心が清められるような場所があった。本殿右後ろに、さらに奥に行く細い道がある。この先はなにがあるかと思って足を踏み出すと、トカゲがちょろっと出てきた。少しの間、まるで道案内をしてくれるかのように、私たちの前をちょろちょろと行く。すぐに脇の茂みに入ってしまったけれど。
 微笑みながら進んだ先には、小さな祠があった。
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 道も石段も苔むしていて、あまり人が訪れないことが知れる。けれどここの空気はしずしずと澄んでいて、自然と祠に手を合わせたくなる。「祈る」とか「願う」とかではなく、ただただ手を合わせ、頭を垂れたくなる場所だった。トカゲの導きに従ってよかった。

 参拝を終え、バスでいったん松江駅に戻る。神魂神社から少し離れたところに「かんべの里」という施設がある。「工芸館」とか「民話館」とかあるようだけれど、私たちは時間がないので素通り。ここを通り抜けた先に「風土記の丘入り口」というバス停があるので、ここから一畑バスに乗る。
 さらりと書いたけれど、ちょっと失敗した。「風土記の丘入り口」のもっと手前に、市営バスの「風土記の丘」というバス停もある。そうとは知らずに、ここでバスを待ってしまった。予定時間になってもバスは来ない。市営バスは土日祝日しか走ってないんだったかな? おかしいと思い、一畑バスに電話。「もう少し先の、432号線沿いのバス停です」と教わり、トボトボ移動。次のバスが来るまで、30分待ちました~(泣)