続・どんぐりも背くらべ

童話作家・九十九耕一のブログ

島根旅行 その1 八重垣神社

 6月13~15日、島根に行ってきた。大遷宮でにぎわうこの年、「伊勢か出雲に行こう!」ということになり、私の直感で出雲を選んだ。伊勢にも出雲にも行ったことはないのだけれど、「出雲」という響きに惹かれるものがあった。
 神話の土地なので、にわかに古事記を読んで、旅行に備える。神社参拝の仕方も、一応知っておく。私は神道信者ではないけれど、大切にされている場所に赴くには、それなりの作法を、最低限は守りたい。
 現地でのスケジュールは、あらかじめ相方が組んでくれた。じつは私は、時刻表とか地図とかが苦手なのだ。「こことここには行きたい」ということ告げ、旅程の97%くらいは相方が組んでくれた。相方も「得意」というわけではないので、かなり苦しんでいたけれど、なだめつ、すかしつして、なんとか2泊3日の旅程を組んでもらった。

 島根までは遠い道のりだけれど、我が家から羽田空港までも、なかなかに遠い。朝4時に起き、とぼとぼと駅へ向かう。朝食を食べる気も、時間もない。
 これまでの人生で数えるほどしか乗ったことのない飛行機で朝食。出雲行き、7時35分発。前日焼いておいたチーズベーコンパンとスタバのコーヒー。なんだか「旅を楽しんでいる」という気分になる。
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 9時●分、出雲縁結び空港着。ここでまずしなくてはならないことは、「縁結びパーフェクトチケット」を買うこと。1枚3000円。このチケットは空港連絡バスはもちろん、一畑電車一畑バス松江市営バスに3日間乗り放題だし、いくつかの観光施設で割引サービスを受けられる。
 私たちの宿は松江に取った。出雲縁結び空港から松江駅までのバス代は1000円だから、パーフェクトチケットがいかにお得かわかるでしょう?

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 空港連絡バスで松江駅に着くと、コインロッカーに余計な荷物を入れて身軽になり、まずは八重垣神社へ。予定を組み始めた当初は「まずは出雲大社でしょう!」と思っていたのだけれど、時間的にどうしても都合が悪いので、「出雲大社は2日目」と英断。2泊3日しかないのだから、時間を有効に活用しなくてはならない。

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 この神社は、素盛嗚尊(スサノオノミコト)と稲田姫が祭られた神社だ。松江駅からバスが出ている。
 神社やお寺は、空気が違う。思いこみなのかもしれないけれど、一歩踏み入れると「ああ、結界の中にいるんだな」という感じがする。
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 この神社の奥には「鏡の池」という、澄んだ池がある。この水面に用紙を浮かべ、その上に硬貨を置き祈ると、縁結びの占いができるという。15分以内に硬貨ごと用紙が沈めば「良縁近し」ということなのだそうだ。私たちが行ったときにも、占っているカップルがいて「早く沈んでよかったね」と微笑ましい言葉を交わしていた。
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 ただ、水面には用紙中央に裂け目ができていて、おそらく硬貨だけ早々に沈んでしまったのだろうと思われる用紙も、ぷかぷかと浮いていた。これを浮かべたカップルは、どんな言葉を交わしたのうだろうか? あんまり考えたくないので、こちらの写真をご覧ください。
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 サンショウウオか、イモリの一種……だと思う。ちょろちょろ泳いできて、プカーっと浮いているので、かわいいです。
 この池はとても澄んでいて、底まで見えるのだけれど、落とし物を拾うのは厳禁。神聖な場所なので、例え携帯や眼鏡を落としても、それが見えていても、手を突っ込んで拾うという行為は禁止です。あきらめてください。事前に、落とさないよう充分注意してください。
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